こんにちは、Akira(Type-EDGE)です。
先日、パソコンに接続したテレビチューナーが正常に動作しなくなってしまった為、修理してほしいという案件をいただきました。
「パソコンでテレビを観る人って、本当に存在するのですね」と本音を漏らしかねましたが、最終的に映像と音声を出力して、テレビ視聴ができました。
今回はその案件にて行った内容の纏めとなります。
似たような構成にて悩んでいる方がいらっしゃったら、参考にして下さい。
今回、対応することになったマシンのスペックは以下となります。
それでは、さっそく行ってみましょうッ!
エラーコード 0089002D を解決する方法【
TVチューナー:PIX-DT012
】
Akira(Type-EDGE)がたどり着いた結論
Windows XP sp3 じゃないとグラフィックドライバが入らない。
グラフィックドライバには.NET Framework 4が求められる。
PIX-DT012は、HDMIじゃないと正常に機能しない場合がある。
PIX-DT012のエラーコード 0089002Dとは?
0089002Dのエラーコードが生じている時の状態は以下の通りです。
- 「画面を表示できません。他の映像表示ソフトを終了してください。」と表示されている。
- 映像が流れないが音声が出ている。
- Smart TVを複数、立ち上げていない。
- 他のTVアプリや映像関連のソフトウェアを動かしていない。
この状態から分かる事は、TVアンテナからパソコンまで正常にデータが送られているという点です。
データが送られていない場合、音声さえ流れていない状態となります。
Smart TVというテレビ視聴アプリを複数、立ち上げておらず、かつ他の映像関連ソフトウェアを動かしていないので、「他の映像表示ソフト」は存在していませんが、さも存在しているように誤認されています。
つまり、誤認されている元を正すことで解決できます。
映像がらみということは、グラフィックドライバが怪しいと推定しました。
Windows XP sp3を目指すのが最終課題
結論に記載した通り、解決するには以下の環境が必要です。
グラフィックドライバを適切に導入する。
HDMI接続を行っている。
映像出力を行うグラフィックカードのドライバはWindows XP sp3以降しかない為、sp3にバージョンアップを行う必要があります。
Windows XP sp3にすることで、映像出力に必要なグラフィック機能に加え、.NET Framework 4.0を導入できるようになります。
ただし、私は次項に記載する順序にて行ったので、問題なくWindows XP sp3にアップデートできるかを検証していません。
もしかすると操作過程で行っていた、.NET Framework 3.5やMicrosoft Windows Installer 3.1が導入されていたからこそ、Windows XP sp3にアップデートできた可能性があります。
Windows XP sp3 へ到達し、テレビ出力ができた流れを一通り記載していきますので、ご自身の環境に合わせて対応して下さい。
PIX-DT012のエラーコード 0089002D を解決した流れ
GF-GT710-E1GB/HSのドライバを取得する
NVIDEA公式よりダウンロードして下さい。
このドライバをWindows XP sp2にインストールしようとすると、.NET Frameworkの導入を求められます。
.NET Framework 3.5を導入する
Windows XP sp2では、.NET FrameWork 3.5まで対応しています。
Microsoft公式よりダウンロードをして下さい。
なお再配布用パッケージを選択しないと、インストール時にネットワーク環境が求められます。
もしも設定対象のマシンがネットワークに繋がらない場合には、再配布用パッケージを選択してください。
.NET Framework 3.5を導入しようとすると、Microsoft Windows Installer 3.1の導入が求められます。
Microsoft Windows Installer 3.1を導入する
Microsoft Windows Installer 3.1とは、ソフトウェアのインストールやアンインストールを実行する基盤となるコンポーネントです。
普段ならばこのようなものを個人がいれる必要が無く、Windows Updateにて自動的に導入されています。
しかし、対象マシンはネットワークに繋がらないという致命的な欠点があった為、Windows Updateさえかからずに放置されていたようです。
Microsoft Windows Installer 3.1はMicrosoft Update カタログにあるのでダウンロードして下さい。
Microsoft Windows Installer 3.1をインストールすることで、.NET Framework 3.5もインストールできるようになります。
Microsoft Windows Installer 3.1 と .NET Framework 3.5をインストールした状態で、GT710のドライバを導入しようとすると、Windows XP sp3の条件を求められます。
Windows XP sp3 のアップデートパッチを導入する
Windows XP は既にサポートを終了しており、Windows Updateによってパッチは落ちてきません(そもそもネットワークにさえ繋がらないマシンですが……)。
その為、手動でパッチを取得してアップデートを行う必要があります。
Windows XP sp3のアップデートパッチは、Microsoft Update カタログにありますので、こちらよりダウンロードして下さい。
.NET Framework 4.0を導入する
Windows XP sp3にすることで、.NET Framework 4.0に対応できます。
新しいバージョンの方が良いので、.NET Framework 4.0を以下より取得して下さい。
以上の過程を踏むとパソコンは次の状態になっています。
OSはWindows XP sp3
.NET Framework 4.0導入済
Microsoft Windows Installer 3.1導入済
この条件であれば、GT710のグラフィックドライバを導入できます。
エラーコードが0089002d から 0000000d に変わった
GT710のグラフィックドライバを導入すると、エラーコードが0000000dに変わりました。
0000000dのエラー内容は「このディスプレイでは映像が表示できません」というものです。
B-CASカードを挿入したTVチューナー PIX-DT012は グラフィック側の映像出力がHDMIでないと正常に動作しない場合があるそうです。
特にアナログ接続であるVGA(D-SUB15)はエラーコード 0000000dになりやすいようにネット情報を見る限り感じました。
HDMI接続へサクッと切り替えて下さい。
これで無事にテレビ視聴ができました。
ここまでやって解決できない方へ
テレビを視聴する際に必ず求められるものの一つに、B-CASカードがあります。
B-CASカードは日本独自の仕様だということを知っていましたか?
実は、海外ではB-CASカードに変わる様な存在が無く、アンテナ線に接続するだけで誰でもテレビを視聴できるのです。
何故、日本だけこのような仕様にしたのかは分かりませんが、B-CASカードを挿入するTVチューナーボードと、映像を出力するグラフィックボードが上手くマッチングせず、視聴できないというケースがあるようです。
グラフィックボードはB-CASカードのような仕様が存在しない海外で開発されていますので、データ齟齬が起きるのは仕方がないと諦めるしかありません。
その為、TVチューナーボードとグラフィックボードは、動作した実績のある組み合わせを選ぶことで、視聴できない問題が解決するかもしれません。
以下に私が対応した環境に搭載されていた部品を掲載します。
* PIX-DT012は販売終了していました……
さいごに
今回はPIX-DT012のエラーコード 0089002Dの解決方法について紹介しました。
0089002dのエラーを解決して、テレビを視聴できるようにするには、次の方法が求められます。
グラフィックドライバを適切に導入する
HDMI接続を行う
今回、対応することになったマシンはWindows XP sp2というレガシーデバイスだったので、sp3パッチや .NET Framework 4.0 、Microsoft Windows Installer 3.1 といった様々なものをインストールしなければなりませんでした。
実際に対応していて感じたのは、Windowsが出力するエラーに従い操作をしていれば解決できるという点です。
Windows XPは優秀なOSとして有名ですし、私自身、長く使用していた経験があります。
最近のWindows 11やWindows 10を操作した後にWindows XPを操作するとレガシー感は拭えませんでしたが、こうしたトラブル解決の基礎は既にできていたと感じられました。
改めて、Windows XPは優秀なOSだと再認識させられました。
今回の記事は如何だったでしょうか。
もし今回の記事が良かったと思った方や評価したいと思った方は、コメントを残して頂けると嬉しいです。
また、私はパソコン以外にも記事を書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。