2021/08/27

Blender2.9のアウトライナーで日本語を正しく入力できる設定

こんにちは、a-keyです。

アウトライナーで日本語の名前を付けようとすると、こんな事が起きていませんか?

  • 日本語を入力すると、何故かアルファベットが重複して先頭についている
  • 日本語の変換中はおかしな表示になるが、確定するとまともな表示だけが残る
  • 「あう」って入力すると「aあう」となる

 

何度も変換->確定を繰り返しながら入力したら、名前のあちこちにアルファベットが入ってしまいます。

名前を付ける度に、勝手に入力されたアルファベットを都度削除するのも面倒ですよね。

 

今回の記事ではそんな問題を解決する設定について紹介していきます。

 

Blender2.9のアウトライナーで日本語が文字化けせずに、正しく入力できる設定

 

日本語入力を行うと、何故アルファベットが重複するのか?

Mircosoft IMEはご存じでしょうか? "IME"(アイ・エム・イー)とは"Input Method Editor"の略でして、入力方法編集プログラムと言われています。

私達がパソコンで文字を入力する際、入力したひらがなを漢字やカタカナへ変換しながら文章を組み立てていきますが、この変換作業を担ってくれているのがIMEです。

 

このIMEですが、 Windows 10 May 2020 Updateによって、新しいバージョンへと切り替わりました

新しいバージョンになった際、日本語入力に対しても様々な変更が加えられています。

どのような変更が加えられたかは詳細には明記しませんが、その変更内容は古いバージョンのIMEの完全上位互換ではありません。

その為、新旧の差異により、使用するソフトによっては入力がおかしくなったり、最悪の場合には入力そのものが出来なくなってしまったりする問題が生じています


問題が起きた当時、下記のリンクのようにニュースサイトでも取り上げられる問題になっていました。

この件については、Windowsの生みの親であるMicrosoft自身も気付いており、対策方法を用意してくれました。

 

Microsoft IMEの設定

Blenderのアウトライナーで日本語入力をしても表示がおかしくならない方法を記載していきます。


設定(WindowsKeyを押して、歯車マーク)を開きます。

時刻と言語を選択します。

 

タブ[言語]の中にある、優先する言語[日本語]をクリックし、オプションへと移動して下さい。

 

言語のオプション:日本語が開いたら、キーボードの項目にあるMicrosoft IMEをクリックして、オプションへと移動します。


Microsoft IMEの中にある、全般を選択します。

 

互換性のタブがありますので、"以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う"を有効にして下さい。

 

有効化すれば古いIMEにて動作しますので、設定が完了します。


a-key の Keypoint

Blenderに慣れていなかったり、モデリングを始めたばかりだったりすると、日本語表記の方が見やすいですよね。

けれども、モデリングしたデータを販売したり、公開したりしようと思っているならば、少しずつで構わないので英語表記にするようにしていってください。


英語表記のメリットは次の二つです。

  • Blenderは国産のアプリケーションではない

    Blenderを開発している非営利団体Blender Foundationの本部はオランダにあります。このことから分かるように、ソフトウェアの様々な表示は外国語から日本語へ翻訳されて表示しています。
    よって、パソコンの中で使用している文字のコードが異なっているので、使用している環境によっては上手く表示できない時が出てきます。

    別のソフトウェアの話になりますが、以前、Microsoftが提供しているOfficeソフトのExcelにて、VBA開発の際にオブジェクト名へ日本語を設定すると不具合が生じたことがありました。
    不具合の内容はVBAを設定したExcelそのものが立ち上がらなくなるというバグです。
    Excelが立ち上がらなくてはVBAの編集さえ出来ませんので、開発元の修正が入るのを待つしかできない状況になります。

    このような問題がBlenderでは起きないか? と問われたら、絶対に起きないとは断言できません。
    どのようなソフトウェアとてバグは付き物です。なるべくバグが生じない環境となる様にユーザ側も配慮しておいた方が、最終的には自分自身の身を守れます。

  • モデリングを扱うユーザが日本語環境に適しているとは限らない

    Blenderは国外での活動が非常に活発的です。その為、販売したり配布したりしたデータを受け取る相手は外国人の可能性も出てきます。

    前述した通り、文字コードの違いによってバグが生じる可能性もありますが、一番は受け取った方が読めない場合があります。
    環境によっては文字化けしてしまい、相手から不具合だというクレームを言われかねません。

    3Dモデリングは作っておしまいというものではなく、その後に動かして使用するものなので、動かす際の利用性を確保する必要があります。
    名前一つ取っても意味があります。


最後に

今回はBlender2.9のアウトライナーで日本語を入力すると表示がおかしくなることに対する対策について紹介しました。

 

簡単に復習していきます。

  1. 日本語入力がおかしくなる原因

    Windowsの入力方法編集プログラムであるWindows IMEが新しいバージョンにきりかわることにより、その入力方式に対応していないソフトウェアは入力バグが生じてしまいます。

  2. 対処方法(Windows IMEの設定)

    Windowsの設定から、Windows IMEの設定へと移り、古いバージョンのWindows IMEを有効にする必要があります。

  3. a-key の Keypoint

    • Blenderは海外ソフトウェアなので、日本語表記よりかは英字表記の方が安定して動作します。
    • 作成したデータを配布したり販売したりするのを考えているならば、受け取った相手が日本語環境に適しているとは限らないので、英字表記にした方が利用性が高まります。


もし本記事を読んで設定出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


【2021/08/29更新】

匿名様よりBlender 3.0の更新情報を頂きました。

Blender 3.0 では新しいMicrosoft IMEに対応した為、文字入力の問題が解消されます。

2021年7月15日に問題解決に向けたタスクが設定されて、翌月8月1日にコミットしたみたいですね。

修正に取り組んでくださったTakahiro Suzuki様、そして関係者の皆様に感謝です。

Blender 3.0 は2021年8月29日現在、alpha版として公開されています。

正式版が出るのが待ち遠しいですね。

 

今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。

 

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!

2021/08/24

Blenderのモデリングに挫折した私が、挫折しないコツを紹介

こんにちは、a-keyです。

今回は3Dモデリングソフト Blenderで犯してしまった致命的な失敗から導き出した、挫折しない為のたった一つのコツについて記事にします。

 


Blenderのモデリングに挫折した私が、挫折しないたった一つのコツを紹介

私はBlender関係の記事について幾つか紹介している通り、3Dモデリングに挑戦しています。


この挑戦の中で致命的な失敗をしてしまった私が、どうして致命的な失敗が起きてしまったのかこれからどうするかについて書いていきます。

Blenderを始めてみようと考えている方始めたばかりの初心者の方に読んで頂き、参考にしてもらえれば幸いです。


Blenderを始めたきっかけは?

最初に、Blenderを始めたきっかけについて書いていきます。

自己紹介のようなものなので、興味の無い方はパパっと読み飛ばしちゃってください。


私が3DモデリングソフトであるBlenderを知ったのは2017年頃でした。

プログラミング系の参考書を探して書店へ立ち寄った時、偶然見つけたのを覚えています。

IT業界では直ぐに知らない言葉が出てくるので、そのような言葉を目にしたら中身を見て、知識に留めるようにしています。

その時もBlenderという言葉を知らなかったので、書籍を手に取り眺めてみました。

Blenderはフリーの3Dモデリングソフトだと分かり、最終的にはUnityや3次元シミュレーションに活用出来るような内容が書いてあり、興味本位のままに始めました。


しかし、その当時の本はポリゴンモデリングを作るだけであり、スケルトン作成・アーマーボーンやUV展開、テスクチャといった実用性に至るステップがありませんでした。

オブジェクトを作り終えて、この状態では活用出来ないのだと分かり、「Blenderはこういう感じのソフトなのね」と理解して終わりにしてしまいました。

今になって思うと勿体ない事をしたと、少し後悔しています。


再びBlenderに挑戦するも挫折した

2021年、たまたま書店を歩いている時、下記のBlender本(以下、本書)を目にしました。

 

Vtuberやソシャゲ等、当たり前のように3Dキャラが出てきている世の中で、本書を斜め読みして次のように思いました。

  • Blenderは未だにフリーであり、 かつ本格的に3Dモデリングを行える
  • ポリゴンモデリングを行うだけではなく、UV展開・テスクチャで外装を整えられる
  • スケルトンを作成出来るので、作成したキャラに動きを付けられる
  • UnityやVtuberに活用する方法が載っている


2017年に知った内容よりもステップアップし、キャラクターとしての完成までたどり着ける内容でした。

かつ完成したキャラクターを活用する際の方法についても載っているのです。

以前には載っていなかった情報も載っており、前回はたどり着けなかった領域まで行けそうな気がしたので、Blenderを再び挑戦したのです。

 

本書を買って1か月余りでポリゴンモデリングを終えました。

2017年にやっていたこともあり、線と辺、面で形作る工程は問題になりません。

スケルトン作成も直感的に操作出来るので、キャラを実際に動かしながら設定していけば終えてしまいます。

 

しかし、UV展開とテスクチャの所で躓きました。

本書では全ての部位に対してUV展開を行い、その後にテスクチャを貼っていく流れになっていました。

私は本書の通りに進めていったものの、テスクチャを貼る段階で同じ結果になりません。

そもそもテスクチャが貼れないのです。

読み飛ばした所や解釈を違えた所が無いか、何度も戻り再挑戦を繰り返していきました。

ですが改善には至りません。 


そうした時間を1週間ほど過ごし、ようやく私は失敗したのだと自覚しました。


Blenderを挫折してしまった致命的な失敗

結論から言ってしまうと、失敗した原因は「複雑すぎるモデリングを行っていた」という酷く単純なものです。


2017年時点でポリゴンモデリングを行っていた経緯もあり、さらに外装を整える程度ならば簡単だろうと高を括っていたので、知らない領域について甘く考えていました

とはいえ、2017年に学んだポリゴンモデリングについて思い返してみると次のステップを踏んでいました。

  1. マグカップやタイヤといった左右対称なモデリング
  2. 刀やジャバラ管といった対称性はあるけど複雑なモデリング
  3. ローポリで表現できる非対照的なモデリング
  4. 動物や人型、昆虫といった非対照的で複雑なモデリング

基本を学び、手に入れた基本の知識を改造して少しずつ複雑な形状へとステップアップしていったのです。

だからこそ単純なマグカップが、最後には複雑な人型へと姿を変えられたのです。


今の私はある程度の複雑なポリゴンモデリングは行えるものの、スケルトンやUV展開、テスクチャに関しては知識がありません。

知識が無いのにも拘らず、最初から複雑な形状をモデリングしようとしたのだから、失敗する結果となってしまってもおかしくありません。

事実、ネットで調べてサイコロやマグカップといった簡単な形状へテスクチャを貼るのは成功しています。


まずは自分の理解が及ぼせる範囲でステップアップをしていく必要性があると認識し、本書を用いたキャラクタのモデリングには失敗したと認めました。


失敗を踏まえて導き出された、挫折しないたった一つのコツとは

身の丈に合った条件で挑戦するの一言に尽きます。


何かを始めようとした時、私たちは「始めた事が出来る自分」を思い浮かべてしまいます。

しかし、現実は「何もできない自分」の姿しかありません。

出来る自分を目指して試行錯誤を重ねるのは良い事ですが、背伸びをし続けていては疲れてしまいますし、何よりも理解が追い付かずに調べなおすという手間が増えてきます。

ネット上で調べなおして出来れば良いですが、大体の情報は断片的で、それらを組み合わせる必要が出てくるので、多くの時間を要してしまいます。

多くの時間を要するという事は、その時間分だけ「何もできない自分」と向き合う必要が出てくるので、何かをきっかけにblenderから遠のいてしまうでしょう。


挫折しない為には「できる自分」を演出する必要があります。

詰まらない作品だって、完成は完成です。

最後まで作れそうな作品を作り上げるという成功体験を連続して積み上げていく中で、分からないことを少しずつ理解していくのです。

 何度も何度も成功体験を積み重ねていった先には、blenderを使いこなし、自らの意図する作品を作り上げられる「できる自分」がいます。

 

もう背伸びをすることは止めましょう。


私はUV展開を行いテスクチャを貼るという一連の流れを続けて、作業工程の理解に徹しようと思います。

最初は単純な形状にしかなりませんが、それを改造し続けていけば本書で作ってきたポリゴンモデリングへテスクチャを貼れるようになります。

また本書での作業方法ではない別の方法を知る機会にもなり、作業性について比較出来るかもしれません。


地道に思えるかもしれませんが、blenderで挫折しない唯一のコツは、この方法に尽きます。

自分が作り上げたキャラクタが(やるかやらないかは分からないけれど)UnityやVtuberとして動かせるように、再び挑戦していきます。


最後に

今回は私がBlenderで犯してしまった致命的な失敗について記事にしました。


皆さん、身の丈に合った内容からステップアップしていきましょう。

間違っても私のように背伸びして転がり落ちていくような真似をしてはいけません

 

何かをやる際、目に見える理想の姿を追い求めたくなります。

しかし、その理想の姿を実現出来るかは、自分自身の実力と運によって左右されます。

運は自分の力で操作できませんが、自分自身の実力は努力次第で如何様にもなります。


まずは単純なものでテストを繰り返し、完成までの流れを把握してから複雑な形状へと挑戦していきましょう。

急がば回れが最善の近道になる場合もあります。


【2021/07/26更新】

初心に帰るべく、Blenderでモデリングからテスクチャまでを一貫して行う記事の連載を開始しました。


最後まで読んでいただき、有難う御座いました。

また別の記事でお会いしましょうッ!

2021/08/18

【初心者向け】blenderの使い方 — 草刈鎌のモデリング(メッシュポリゴン編) —

 

こんにちは、a-keyです。

今回、モデリングするアイテムは草刈鎌です。

草刈鎌を知らない方々の為に簡単に説明しておきますと、農家の方々が使う機会の多い、手に持って草を刈る手動式の刃物です。

サバイバル系のゲームならば、フィールドでアイテム収集時に使ったり、場合によっては武器として使ったりします。

 

それでは今回もゆったりと作成していってみましょうッ!

 

ちなみに、初めてきたよって方や今回の記事が難しいよって方は前回の記事を読んでみてください。


本記事は初心者向けとなっており、blenderの使い方をメインに書いています。

その為、次のような方々向けの内容となっております。

  • Blender2.9をインストールして放置している方
  • Blender2.9を始めたばかりで使い方を知りたい方
  • Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方

 

【初心者向け】blenderの使い方 ― 草刈鎌のモデリング(メッシュポリゴン編)


制作内容及び作業工程の確認 

まずはこれから作成に当たって実施していく流れについて俯瞰していきます。

特徴は次の通りです。

  • 柄の部分には滑り止めめいた何かが巻き付けられている。
  • 金属質な刃の部分にはノコギリのギザギザが取り付けられている。
  • 刃と柄の間には止め金具が取り付けられている。

 

構成するパーツは次の通りです。

  • 柄に巻き付いた持ち手部分
  • 止め金具
  • ノコギリのギザギザ


これらパーツ群のモデリングは次の流れに沿って実施していきます。

  1. 柄のモデリング 
  2. 持ち手部分の モデリング
  3. 刃のモデリング
  4. ノコギリのギザギザのモデリング
  5. 止め金具のモデリング


過去の記事でモデリングしてきた際に使用してきたコマンドに加え、カーブを使ってメッシュを歪ませる操作を実施します。

各工程については、いつものように次の項目以降で詳しく説明していきます。


柄のモデリング

最初に全体の寸法に合わせて、単位の長さを Meters -> Centimeters に切り替えます。

これで寸法を入力していく時にセンチメートル単位で入力が可能となります。


Shift + A -> メッシュ -> Cylinder で円柱を以下のサイズで生成し、オブジェクトの名前を"柄"とします

  • 頂点:16
  • 半径:1cm
  • 深度:20cm
  • ふたのフィルタイプ:Nゴン

柄が全体の基準となり、今後作成していく各パーツを取り付けていきます。


持ち手部分のモデリング

持ち手部分のモデリングも柄と同じく円柱を使用して行っていきます。


Shift +A -> メッシュ -> Cylinder
で以下のサイズの円柱を生成して、オブジェクトの名前を"持ち手"と変更します

  • 頂点:16
  • 半径:1.1cm
  • 深度:0.5cm
  • ふたのフィルタイプ:なし

フィルタイプをなしに設定すれば、円柱の蓋が無くなって、輪が出来上がります。

この輪を螺旋状に作り替えていきますが、その形状を全て手作業で作りこんでいくのは根気のいる作業になってしまいます。

よってモデルとなる部品を一つだけ作り、それをモディファイアによって並べていく方法を取っていきます。

 

"持ち手"を選択し、オブジェクトモード -> 編集モードに切り替えます。

Alt + L Click 上側の頂点を全て選択し、S Key で (X, Y, Z) = (1.1, 1.1, 1.1)に拡大します。

点選択 -> 辺選択 に切り替え、縦の辺を1か所選択し、メッシュ -> 分離 ->面(選択辺で) をクリックします。

繋がった輪の形状だった"持ち手"の1辺に切れ目が入りました。

辺選択 -> 点選択 に切り替え、先ほど作った切れ目の片側をZ軸方向に0.25cmずらして、他の頂点をなだらかな傾斜になる様に G -> Z で移動していきます。


編集モード -> オブジェクトモード に切り替えます。

モディファイアの追加で配列のモディファイアを追加し、以下の設定にします。

  • 数:40
  • オフセット:(X, Y, Z) = (0, 0, 0.5)

モディファイアの配列機能によって、螺旋状に持ち手部分が出来上がりました。

 

厚み付けを行う為にモディファイアの追加でソリッド化を追加し、次の設定にします。

  • モード:シンプル
  • 幅:0.1cm
  • オフセット:-1.0
  • ふち:フィルを有効

幅を0.1cmにすることで、"柄"と"持ち手"の位置がちょうど重なるようになり、空白が目立つようなことが起きません。

二つのモディファイアの設定を終えたら、配列のモディファイアだけ適用します。


オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

最上部で出っ張っている頂点をG -> Z で調整し、水平に並ぶようにします。この操作は末端部も同じように行います。

"持ち手"を選択した状態で、A -> G -> Z で"柄"の良い位置に移動させます。一般的な形状を見る限り、中間よりもやや下側の方が良いでしょう。

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替え、モディファイアのソリッド化を適用します。

これで手で"持ち手"部分が完成しましたので、今度は刃部分へ移ります。


刃とノコギリのギザギザのモデリング

オブジェクトモードShift + A -> メッシュ -> Plate を選択し、次の設定にします。

  • サイズ:10cm
  • 位置:(X, Y, Z) = (-3, 0, 14)
  • 回転:(X, Y, Z) = (90, 0, 0)

 

平面のオブジェクトの名前を"刃"に改名し、オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。

Ctrl + R "刃"のZ軸方向へループカットします。

  • 分割数:13

点選択 で各頂点を選択し、G -> Z Z軸方向に移動させ、刃の形を作っていきます。

 

 

"刃"の形に沿ってノコギリのギザギザを付けたいので、このオブジェクトから形を切り出してカーブオブジェクトを生成します。

ノコギリのギザギザが付く箇所の頂点を全て選択し、P -> 選択別のオブジェクトに分離させます。

分離したオブジェクトは"刃カーブ"と命名します。

 

編集モード -> オブジェクトモード に切り替えてください。

"刃カーブ"を選択し、オブジェクト -> 変換 -> メッシュ/テキストからカーブを選択して、メッシュオブジェクトからカーブオブジェクトに変換します。

カーブオブジェクトを使ってメッシュオブジェクトを曲げる場合、位置が同じ位置にないと曲がる方向が異なるので操作し辛くなります。

なので、曲げる元となるカーブオブジェクトの位置を原点へ移動しておきます

カーブオブジェクトとなった"刃カーブ"の位置を(X, Y, Z) = (0, 0, 0) へ移動します。


Shift + A -> メッシュ -> Plate を選択し、以下のサイズにします。

  • サイズ:0.2cm
  • 位置:(X, Y, Z) = (0, 0, 0)
  • 回転:(X, Y, Z) = (90, 0, 0)

名前は"ノコ"にしました。

オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。

Ctrl + RX軸方向に2等分し、下側(外側)となる頂点を全て選択したら、M -> 中心に を行い、中間の位置でマージさせます。

形状が野球のベースホームのような形となりましたね。等間隔なのもおかしいので、Y座標方向にG Keyで移動させます

 

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

モディファイアの追加でカーブモディファイアを次の設定で追加します。

  • カーブオブジェクト:刃カーブ
  • 変形軸:X

 配列のモディファイアも追加しましょう。

  • カーブに合わせる:刃カーブ
  • オフセット:(X, Y, Z) = (1, 0, 0)
  • マージ:有効(0.1cm)

これら二つのモディファイアの設定を終えたら、両方とも適用しましょう。

適用しないと移動した際、カーブの影響で意図せぬ角度になってしまいます。


これで"刃"と、それに取りつく"ノコ"が平面の状態で完成しました。

これらへソリッド化のモディファイアを追加して、厚み付けを行います。

"刃""ノコ"の方へ行くにつれて薄くなっていくようにしたいので、ソリッド化の幅は以下の設定値にします。

  • "刃"のソリッド化の幅:0.3cm
  • "ノコ"のソリッド化の幅:0.1cm


"刃"を選択して、オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。

"刃"の下側("ノコ"が取りつく側)の厚みだけを0.1cmにする為に、Ctrl + R で中心へループカットを入れます。

通常にループカットを入れただけでは、"柄"の方へ繋がる面も厚みが変わってしまうので、影響が出ないように K Key で切り込みを入れます。

これで厚みを整える準備が出来たので、編集モード -> オブジェクトモード に切り替えモディファイアを適用します。

再び オブジェクトモード  -> 編集モード とし、"ノコ"が取りつく辺を全て選択し、幅を0.1cmとなるようにG -> Y で移動させます。

幅を整えたら、編集モード -> オブジェクトモード に切り替え、"ノコ"の位置を"刃"の位置に合致するようにG Keyで調整します。

"ノコ"の位置は凡そ次の値になります。

位置:(X, Y, Z)=(-3, 0.2, 14)


最後に"ノコ"のギザギザ部分が交互に尖るようにモデリングしていきます。

"ノコ"を選択し、オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

ギザギザ部分が鮮明に見えるように近付き、点選択"ノコ"の刃先である二つの頂点を選択します。

選択したら、M -> 最初に選択した頂点に で結合しましょう。

M Key で実行するマージは選択した頂点を結合してくれます。

その結合方法は5種類あり、主に使うのは次の3つです。

  • 最初に選択した頂点に:最初に選択した頂点の座標を基準に他の頂点を結合する
  • 最後に選択した頂点に:最後に選択した頂点の座標を基準に他の頂点を結合する
  • 中心に:選択した頂点の中心位置となる座標で全ての頂点を結合する

今回はギザギザ部分が交互になるようにしていきたいので、選択順に合わせて最初か最後頂点に結合をしていってください。

ギザギザを結合し終えれば、"刃"及び"ノコ"のポリゴンメッシュは全て完了です。

 

止め金具のモデリング

メッシュモデリングの最後は、柄の部分に取り付ける止め金具です。

もうここまでやってきた方ならば、ピンときているかもしれません。

画竜点睛という言葉もありますので、しっかりやっていきましょう。


編集モード -> オブジェクトモードに切り替えます。

Shift + A -> メッシュ -> Cylinder で円柱を生成し、次の設定にします。

  • 頂点:16
  • 半径:1.1cm
  • 深度:1cm
  • ふたのフィルタイプ:なし
  • 位置:(X, Y, Z)=(0, 0, 9)

名前を"留め具"にし、モディファイアの追加でソリッド化を追加して、次の設定にしましょう。

  • 幅:0.1cm
  • オフセット:-1.0
  • ふち:フィルを有効化

 

以上で全てのメッシュポリゴンの製作を終えました。

今回はパーツが多かったので、若干長かったですね。


最後に

今回は草刈鎌のモデリングを行い、ポリゴンメッシュまでを作成しました。

完成してしまえば簡単な見た目ですが部品点数も多く、思ったよりも複雑だったのではないでしょうか。

冒頭でも記載致しましたが、シームの設定からテスクチャまでの工程は、以前の記事と何も変わりませんので、そちらを参照してください。

 

重要な所だけ、復習します。

  • 同じ形状のものが並ぶ場合、モディファイアの配列を使用しましょう。配列のモディファイアを適用する前にメッシュを動かしてしまうと、複製した全体に影響が出てしまうので、個別に動かす場合には適用する必要があります。
  • カーブオブジェクトを使ってメッシュを曲げる場合には、原点の位置を揃えましょう。原点が揃っていないと、メッシュは思いもよらぬ方向へ曲がってしまいます。


もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。

 

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!

 

2021/08/05

【Blender】無料アドオン Screencast-Keysを使って、入力したキーを画面上に表示しよう

 

こんにちは、a-keyです。

Blenderを使っていて、こんな悩みを抱えていませんか?

  • Youtubeなどで制作工程を配信しようとしているけれど、カーソルの位置は見にくいし、どんな操作をしているのか分かりにくいよね
  • 自分の制作工程を録画して問題点を見つけようと思ったけれど、後々見返したら何をしているのか自分自身でさえ、さっぱり分からなかった
  • ゲーム配信みたいに、入力キーの表示が出て欲しい


私自身、Blenderでモデリングを解説する記事を書くようになって似たような悩みを抱えました。

その悩みを解決する第一歩として、Screencast-Keysというアドオンを見つけたので紹介します。

 

このアドオンは次の方々ならば絶対に入れた方が良いです。 

  • Blenderの画面を操作する映像を配信やプレゼンをしようとしている方
  • 自分自身の動きを録画して、後々に見返そうと思う方 
  • アドオンならば何でも入れるアドオンジャンキーの方

 

ちなみに当ブログでは初心者向けにblenderでのモデリングの仕方を紹介しています。

興味のある方はこちらをクリックして下さいね。

 

 【Blender】無料アドオン Screencast-Keysを使って、入力したキーを画面上に表示しよう


私が抱えた悩みとは?

Screencast-Keysを紹介する前に、私がこのアドオンへ至った経緯について記載していきます。

興味の無い方はパパっと飛ばしちゃってください。

 

Blenderの記事を書く際に悩んでいるのは、記事の材料となるモデリングを行う過程が煩雑になってしまっている点です。

他の方はどのような事を行って記事にしているのか分かりませんが、私の場合は以下の行為を同時に行っています。

  • blenderでモデリング
  • bloggerで記事を書く
  • スクショを取って名前を付けて保存
  • 保存したスクショを画像編集ソフトで加工


やっていることはモデリング以外全て単純なもので、ブラウザでキーボードを打つだけだったり、PrintScreen Keyを押すだけだったり、画像編集ソフトで加工するだけだったりです。

ですが、これらが組み合わさると次の流れになります。

モデリング -> スクショ撮影 -> 画像編集 -> 記事を書く -> モデリング -> ...(略

bloggerの記事を書いてスクショまで貼った後、モデリングに戻って「おかしい場所あるから修正しないと」なんて事が起きると、記事を消してやり直しが発生します。


煩雑極まりない……


この煩雑さを解消したいと考えています。


悩みを解決するには?

複雑になってしまっているものは分解して単純化するに限ります。

先ほど挙げた4つの行為をPCスペックの負荷加減で分割したところ次のようになります。

 高負荷

  • blenderでモデリング

低負荷

  • bloggerで記事を書く
  • スクショを取って名前を付けて保存
  • 保存したスクショを画像編集ソフトで加工


この分け方であれば、最初にモデリングを集中的に行い終わらせてしまい、次のステップでそれを記事にすれば良い流れになります。

つまり、モデリングを行っている間、画面キャプチャソフトで録画しておき、制作過程を記録化すれば良いと考えました。

記事を書く段階で既にモデリングを終えているので、完成した造形物の結果が分かっており、記事全体の進め方や終わり方も検討に含められます。


早速、録画を試行しながら、草刈鎌やリボンをモデリングしてみました。


これらをモデリングした時の録画したデータを眺めたところ、何のキーを入力しているのか不確かな点が多々見られました

自分で作り上げた制作過程のはずなのに、後になって観ると他人が作っているように観えるのです。

不思議ですね……

そんなわけで入力したキーを表示させて行為を判読出来るようにしました。


Screencast-Keysの導入と使い方

blenderでモデリングしている際のキー操作を画面上に表示する無料アドオンです。

作者はぬっちさんですが、本人曰く元々の開発者の方々の貢献も大きいそうです。

使わせて頂く身からすると、作者の皆様に感謝です。


本来の用途はblenderを使いながらプレゼンや解説動画を作るのに使います。

ゲーム配信のように、現在の操作内容が画面端に表示し続けてくれるので、視聴者が観ていても何の操作を行っているのかが分かるようになります。


入手は以下のサイトから最新バージョンのzipファイルをダウンロードして下さい。

 

アドオンの導入方法は以前、紹介していますのでこちらを参考にしてください。

 

Screencast-Keysの使い方

3Dビュー上で表示される右側のメニューを開き、Screencast-Keysのタブを選択して下さい。

タブの中にScreencast-Keysのチェックボックスがあるので、そちらを有効化すれば入力したキー操作が画面上に表示されるようになります。


設定項目できる項目は下記のとおりです。

  • カラー:画面上に表示する文字の色
  • 影:文字に立体感を付ける影の色
  • 背景:表示位置を塗りつぶす背景色
  • フォントサイズ:画面上に表示する文字の大きさ
  • Mouse Size:画面上に表示するマウスアイコンの大きさ
  • 原点:表示する文字の原点位置
  • 整列:表示する場所(左・中央・右)
  • オフセット:整列した場所から移動する距離
  • Display Time:画面に表示する時間
  • Max Event History:入力履歴を表示する件数
  • Show Mouse Events:マウスアイコンの表示有無


アドオンの製作者である、ぬっちさんが挙げているScreencast-Keysの紹介動画もありますので、是非観てください。


a-key の Keypoint

キー入力を画面に表示してくれることで、操作している方の動きを第三者が見る際には見やすくなりますね。

しかし、操作する画面そのものに表示しているという事は、操作している人の画面領域を奪っているといっても過言ではないので、操作しづらくなっているかもしれません

特に小さな画面を使っている方だと、見える領域が減ってしまうので注意が必要です。

 

私の場合、1900x1600程度のディスプレイを使用しているので、Screencast-Keysを表示しても「画面が見辛くなった」という印象は受けませんでした。

むしろ、文字が小さいと感じましたのでフォントサイズとMouse Sizeを調整しました。

Blenderの画面色に対して、文字色が白だと見辛いかなと感じて、Screencast-Keysの背景色なども調整してみましたが、 背景色は塗りつぶしによって表現されてしまいます。

背景色に関しては制作に支障が出たので、初期値に戻しました。

 

このアドオンは操作する方・操作内容を観ている方双方に影響するので、使用する環境に合わせて大きさや色合いを設定する必要があります。


最後に

今回は無料アドオン Screencast-Keys を導入し、キー操作を画面上に表示化する方法を紹介しました。 

 

このアドオンは次のような方々にお勧めです。

  • Blenderの画面を操作する映像を配信やプレゼンをしようとしている方
  • 自分自身の動きを録画して、後々に見返そうと思う方 
  • アドオンならば何でも入れるアドオンジャンキーの方

 

アドオンを導入した後は、自分自身の環境に合わせて設定することをお勧めします。

設定項目は次の通りです。

  • カラー:画面上に表示する文字の色
  • 影:文字に立体感を付ける影の色
  • 背景:表示位置を塗りつぶす背景色
  • フォントサイズ:画面上に表示する文字の大きさ
  • Mouse Size:画面上に表示するマウスアイコンの大きさ
  • 原点:表示する文字の原点位置
  • 整列:表示する場所(左・中央・右)
  • オフセット:整列した場所から移動する距離
  • Display Time:画面に表示する時間
  • Max Event History:入力履歴を表示する件数
  • Show Mouse Events:マウスアイコンの表示有無

なお、私の環境でのお勧め設定はフォントサイズとMouse Sizeを大きくし、あとは全て初期設定です。

特に背景色を設定してしまうと、制作に支障が出る恐れがあるので、注意しましょう。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。

 

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!

2021/07/31

【初心者向け】Blender2.9の使い方 – 十字架のモデリングとテスクチャ作成

 

こんにちは、a-keyです。

今回はゲームでお馴染み、聖なる証である十字架をモデリングしていきます。

 

十字架という言葉を聞くだけでワクワクしますよね(しませんか………)。

十字架というシンボルはアニメーション作品やゲームの中で多用されており、その使い方はパッと思い浮かべただけで次のものがあります。

  • アクセサリーや武具等、身につけるもの
  • 攻撃や回復時のエフェクト
  • 背景や仲間が蘇生待ち状態のオブジェ

聖や生命のシンボルとして扱われますが、テスクチャで色を変えれば禍々しい姿となり汚染された生命にも見られる等、活用の幅が広がります。

万能すぎるので、さっさと始めましょうッ!


ちなみに「この記事に直接来たよ」という方や「今回の記事が難しかったよ」という方は以下の記事を読んでいただければと思います。

 

 本記事はblenderの使い方をメインに扱っており、複雑な操作方法は極力避けるようにしています。

今回の記事はBlender初心者を対象としており、以下の方々向けの内容となっています。

  • Blender2.9をインストールして放置している方
  • Blender2.9を始めたばかりの方
  • Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方


作業工程の確認

まずは毎度お馴染みになりますが、これからやる流れについて全体的に俯瞰します。

  1. 十字架のポリゴンメッシュを作成する
  2. 宝石のポリゴンメッシュを作成する
  3. ポリゴンメッシュへシームを設定する
  4. UV展開(十字架と宝石)
  5. 各展開結果をテスクチャと関連付ける
  6. テスクチャを描く

今回は十字架と宝石、二つのオブジェクトをそれぞれ作成します。

それら二つのオブジェクトを一つの展開図として、テスクチャに割り付けます。

 

モデリングをする際に参考とするモデルですが、私はGoogleの画像検索結果を使用しています。


各作業の内容について、以下で詳しく紹介していきます。


十字架のポリゴンメッシュを作成する

長さの単位を設定する

元となる正方形のメッシュを設置する前に、まずは寸尺を揃えます。

今回はアクセサリー向けに作成する予定なので単位はミリメーターとします。

プロパティ欄をシーンプロパティに切り替え、長さをミリメーターに設定します。


十字架部分のポリゴンメッシュを作成する

元となる正方形のメッシュポリゴンを配置します。

Shift + A -> メッシュ -> Cube を選択して、寸法を以下に設定します。

  • x = 5mm
  • y = 5mm
  • z = 5mm

編集の手間を省く為に、ミラーモディファイアを設定します。

ミラーモデファイアとは指定した軸を中心として、鏡合わせのように、左右で同じメッシュポリゴンを自動生成してくれます。

よって片側だけを造形すれば済むので、左右のバランスを気にせずに済みますし、何より作業量が半分で済みます。

プロパティ欄をモディファイアープロパティに切り替えモディファイアーを追加 -> ミラー を選択して下さい。

ミラーモディファイアの設定は次になります。

  • 座標軸 : X
  • クリッピング : ON
  • マージ : ON 0.1mm

クリッピングをONにすることで、中心線となる座標軸を越えて点を移動出来ません。

マージをONにすると、中心となる座標軸に複数の点がある場合、自動的にそれらの点を結合してくれます。


では実際に十字架のモデリングを行います。

オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

テンキーの1 を入力して表面に表示を向けます。

面選択 に切り替え、上面を選択し、E -> Z で面をZ軸方向へ10mm押し出します。

左右に関しても同じく面選択を行い、それぞれを10mm押し出して下さい。

下面は20mm押し出します。

 

ただの十字の形では寂しいので、先端に少し細工を加えましょう。

加工できるように、十字の各先端部分にループカットを入れます。

テンキーの1 -> Ctrl + R でループカットを入れたい個所を選択して下さい。

  • 十字架の上及び左は、中点から10mmの位置でループカットを入れます。
    右側はミラーで自動生成されるので、ループカットは不要です。
  • 十字架の下の部分は、中点から20mmの位置とします。

辺選択 に切り替え、ループカットでいれた各辺をAlt + L Click -> S で以下の設定値で拡大します。

  • X : 1.5
  • Y : 1.0
  • Z : 1.5

 

ミラーモディファイアの適用を行います。

モディファイアはUV展開までに適用しておかなければ、正常にUV展開が実施出来なくなります。

これ以上、メッシュを操作しない状態にまでモデリングを終えたら、モディファイアは適用させましょう。

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

プロパティ欄をモディファイアープロパティへ切り替えます。

追加したミラーモディファイアの右のアイコンにあるvをクリックし、適用を選択して下さい。


十字架の中心に配置する丸い宝石を作成する

十字架の中心に宝石を配置するので、球のポリゴンメッシュを作成します。

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

Shift + A -> メッシュ -> UV Sphere を選択し、サイズや位置を以下に設定します。

  • セグメント : 8
  • リング : 4
  • 半径 : 2mm
  • 位置 : X = 0mm, Y = -2mm, Z = 0mm

生成した球は角があるので、表面を滑らかにします。

球を選択した状態で R Click -> スムーズシェード を選択して下さい。

 
以上で今回作成する十字架のモデリングは完了です。

 


ポリゴンメッシュへシームを設定する

今回は十字架部分と宝石の二つをモデリングしましたので、シームは以下の設定とします。

  • 十字架の表面
  • 十字架の裏面
  • 十字架の外周
  • 宝石(シームを設定しないでこのままUV展開する)

 

十字架(立方体)を選択し、オブジェクトモード -> 編集モードへ切り替えます。

辺選択 に切り替え、テンキーの1 -> Ctrl + L Click で表面及び裏面と外周を隔てる辺を選択します。

外周の底にある辺の一つを選択し、輪の状態にならないようにします。

選択を終えたら、Ctrl + E -> シームをマーク でシームを設定します。


UV展開(十字架と宝石)

シームの設定を終えたので、さっそく平面図に展開しましょう。

今回は二つのオブジェクトがある状態なので、両方を選択して展開する必要があります。

 

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

Shift + L Click で球及び立方体のオブジェクトを選択した状態にします。

選択状態を維持したまま、オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

A -> U -> 展開 を選択します。

作業領域のタブをLayout -> UV Editing へ切り替えます。

展開結果が重なってしまっている場合、欄外へ出してしまい、成形しながら並べます。

十字架の表裏は同じテスクチャとしたいので、きれいに重ねておきましょう。


もしも展開がうまくいかない場合には、展開したい個所を1か所ずつ選択して展開すると上手くいきますよ。


各展開結果をテスクチャと関連付ける

今回、二つのポリゴンメッシュを一つのオブジェクトと捉えて、UV展開を行いました。

なのでテスクチャとなる画像が1枚だけを作成することとなります。

作業領域のタブをUV Editing -> Texture Paint へ切り替えます。

+新規をクリックし、以下の設定でマテリアルを作成します。

  • 名前 : cross
  • 他 : 初期値のまま(気になる方は画像を参照ください)


十字架部分をテスクチャと関連付ける

最初に十字架のポリゴンメッシュとテスクチャとなる画像を関連付けます。

立方体を選択し、オブジェクトモード -> テスクチャペイント へ切り替えます。

A Keyを入力して全て選択した状態にします。

プロパティ欄をマテリアルプロパティに切り替え+新規をクリックしてマテリアルを作成します。


ベースカラーの右側にある丸(赤枠部)をクリックして、表示されるメニューの中から画像テスクチャを選択します。





ベースカラーの下が+新規 開くの表示に切り替わるので、左側にあるアイコンをクリックし、cross(テスクチャとなる画像)を選択します。

十字架部分の色が黒く染まれば、正常に関連付けが出来ました。





宝石部分をテスクチャと関連付ける

次は宝石部分ですが、処理の方法は十字架部分と同じです。

を選択し、オブジェクトモード -> テスクチャペイントへ切り替え、関連付けを行ってください。


オブジェクトが2つになってもやることは変わりませんが、少しだけ複雑になりますね。


テスクチャを描く

ここまで来たら、あとはテスクチャとなる画像へ色を置く作業となります。

描きたいオブジェクトを選択し、テスクチャペイントモードへ切り替えながら作業を進めていきます。

 

最後に

今回は立方体から十字架をモデリングし、テスクチャを貼るところまで行いました。

今までは一つのオブジェクトに一つのテスクチャを関連付けるだけでしたが、今回は二つのオブジェクトに一つのテスクチャを関連付け、色を塗り分けています。

 

では、今回のモデリングについて復習です。

  1. 十字架と宝石のポリゴンメッシュを作成する
    上下・左右で対象な形状をしている場合、ミラーモディファイアを設定すれば作業量が半分になります。
    ミラーモディファイアを設定する場合には、座標軸の設定を間違えないようにしましょう

  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
    シームの切り分けはUV展開の形状やテスクチャの描き方に影響します。
    どう展開するか? どう描くか? どうすれば作業しやすいか? を考えながらシームを設定していきましょう。

  3. UV展開(十字架と宝石)
    複数のオブジェクトを同時にUV展開出来ます。
    UV展開した時、重なり合ってしまったり、作業しづらい位置・角度だった場合、場外に一度、全て出してしまって並べ替えると良いです。

  4. 各展開結果をテスクチャと関連付ける
    たとえオブジェクトが複数あるのに対し、関連付けるテスクチャが一つであったとしても操作する方法は変わりません。

  5. テスクチャを描く
    ここまで来れば、ツールをどう使うかの話になります。
    Blender標準の描くツールって使い辛いので、見直したいですね。


今回、複数のポリゴンメッシュを使う操作方法について記事にしましたので、今度は複数のテスクチャを使う方法について纏めるのが良さそうですね。

形状も少しずつ複雑になってきていますし、これまで使ってこなかった機能を取り上げるのも良いかもしれません。


もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。

 

【2021/08/10更新】

次のステップとして、草刈鎌のモデリング方法を記事にしました。

お時間のある方は、是非クリックをお願いします。

  

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!

 

2021/07/29

Blender初心者向け モデリング方法 - 湯呑みのモデリングとテスクチャ -

 

こんにちは、a-keyです。

今回はblenderの使い方を身に付ける為に、円柱を元に湯呑みをモデリングしていきます。

 

Blender初心者の方で前回の記事を見ていない場合、前回の記事から読んだ方が理解が深まると思います。

前回のモデリングをした時の記事は下記のリンクです。


本記事はblenderの使い方をメインに取り扱っています。

今回のモデリングは基本的な操作だけで行えますので、次のような方々向けの内容になっています。

  • Blender2.9をインストールして放置している方
  • Blender2.9を始めたばかりの方
  • Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方


それでは、今回も楽しくやっていきましょうッ!

 

 【初心者向け】Blender2.9の使い方 – 湯呑みのモデリングとテスクチャ作成

 

作業工程の確認

まず最初に、これからやる作業の工程について把握します。

  1. ポリゴンメッシュの湯呑みを作る
  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
  3. UV展開
  4. ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける
  5. テスクチャを描く


見ての通り、作業の工程に関しては前回と相違ありません。

とはいえ、今回は自動生成したポリゴンメッシュ自体を使用せず、湯呑みの形となるようにモデリングしてからテスクチャを貼ります。

モデリングをする際に使用するコマンドは、今後覚えた方が良い基本操作しか使用しません。

 

モデリングする際にモデルとなる対象物ですが、私はGoogleの画像検索で出た結果を参考にしています。


ポリゴンメッシュの湯呑みを作る

長さの単位を揃える

作品を仕上げていく上で大きさはとても大切です。

今回の湯呑みだって、1メートルを超える大きなサイズにしたら、実際にアニメーションやゲーム等で取り入れて使おうとしても使いにくくなってしまいます(ネタで良いかもしれない)。


なので、長さの単位をミリメートルにします。

プロパティ欄をシーンプロパティに切り替え、長さをミリメーターに設定します。

これで今後、メッシュを操作していく際の単位がミリメートル単位になり、作り上げる3Dモデルの大きさが把握出来るようになります。

 

円柱のポリゴンメッシュを湯呑みに改造する

Shift + A -> Cylinder を選択し、円柱のポリゴンメッシュを用意して下さい。

ポリゴンメッシュを生成時に左下でサイズを指定できるので、次の設定にします。

  • 頂点:16
  • 半径:60mm
  • 深度:100mm
  • ふたのフィルタイ:なし

ふたのフィルタイをなしに設定することで、円柱の上下にふたが無い状態となります。

 

さっそく、円柱のポリゴンメッシュを改造していきましょう。

オブジェクトモードから編集モードへ切り替えます。

湯呑みは上が一番広くて、下に行くに連れて窄まっている形状をしているのが一般的ですので、まずは上面を広げます。

Alt + L Click で上面の点を全て選択し、S Keyでスケール調整を行います。

スケール調整時、Shift Keyを押しながらマウスカーソルで調整していくと、ゆっくり動くので思い通りの形になります。


次は底の形状を整えていきます。

底はなだらかな曲線を描いて窄めていきます。

Alt +L Click で底面の点を全て選択し、E -> Z KeyでZ軸方向へ押し出します。

押し出す長さは1マス程度(グリッド尺:1mm)で十分です。

押し出した点を選択した状態のまま、S Keyを入力し内側へ縮めます。

底面になだらかな傾斜が付くように同じ動作を、あと2回繰り返して下さい。 

すべて終えると、縦列には計5個の頂点が並んでいる形になります。

 

高台となる個所を整えていきます。

テンキーで7 -> 9を入力し、底面が前に表示するに切り替えます。

Alt + L Click で底面の点を全て選択し、E -> S で高台となる面を作成します。

面の作成を終えたら、F Keyで底面を閉じてください。

点選択から面選択へ切り替え、高台となる面を全て選択します。

テンキーで1を入力し、横から見た状態に切り替え、E -> Z でZ軸方向へ面を押し出します。


高台まで仕上がったので、湯呑みの形状が出来上がりました。

しかし、ちょっと全体的に角ばっていますよね。

全体的に丸みを帯びた形にしたいので、角を取る処理を加えます。

A -> R Click -> スムーズシェードを実施します。

スムーズシェードはその名前の通り、全体の角を取り滑らかにしてくれます


最後に厚み付けを行います。

現状のモデリングではペラペラの紙のような平面がつながり合っているだけです。

側面から見る分には問題ないですが、上面の視点から見ると違和感があります。

なので全体に厚みを付けて、湯呑みらしく整えていきます。

編集モード -> オブジェクトモード に切り替えて下さい。

A Key でオブジェクト全体を選択して、プロパティ欄をモディファイアープロパティに切り替え、モディファイアーを追加をクリックします。

ソリッド化のモディファイアーを選択すると肉付けがされますので、幅を以下の設定にしてください。

  • 幅:5mm
  • オフセット:初期値のまま

ソリッド化の右側にあるアイコンの中から、vを選択し、適用をクリックして下さい。

厚み付けを行ったソリッド化がペラペラのメッシュに適用され、立体的な造形になります。

これにてポリゴンメッシュの湯呑みが完成です。


ポリゴンメッシュへシームを設定する

今回作成している湯呑みは以下のパーツに切り分けます。

  • 湯呑みの中(液体の入る部分)
  • 湯呑みの外(手で持つ部分)
  • 底(高台の部分)

 

湯呑みの中を切り分ける

オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えて下さい。

テンキーの7を入力し、Z軸方向から表示して下さい。

辺選択にし、Alt + L Clickで湯呑の内側となる最も上の辺を選択します。

Ctrl + E -> シームをマーク で設定します。

 

湯呑みの底を切り分ける

テンキーの9 -> 8 -> 8を入力し、-Z軸方向の斜めから表示して下さい。

Alt +L Clickで高台の部分を選択し、Ctrl + E -> シームをマーク で設定します。


デザイン性を重視したい湯呑みの外側は円柱状だと塗りにくいので、切り開きます。



テンキーの1を入力し、Y軸方向から表示して下さい。

上部のシームから高台のシームまでの間を辺選択し、シームを設定して下さい。


UV展開

シームに沿ってUV展開を行います。

A -> U -> 展開 を選択して、作業領域のタブを Layout -> UV Editingへ切り替えます。

 

このままだと湯呑みの外側が弧を描いており、扱いにくいのでTexToolsで方形にします。

TexToolsを導入していない方はこちらの記事から導入下さい。作業効率が良くなります。


湯呑みの外側となる展開図を L Key + マウスカーソル で選択します。

UV -> Rectify で選択した展開図を方形にします。

変換した結果、グリッドの範囲から出てしまった場合、スケール(S Key)で縮小してサイズを整えます。

また湯呑みの外側は縦方向より横方向の方が自然に描けるので、選択や移動、回転で平面図の位置を調整します。


ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける

最初にテスクチャとなる画像を新規作成します。

作業領域のタブをUV Editing -> Texture Paint へ切り替え+新規をクリックします。

新規画像のポップアップが出てくるので、次のように設定します。

  • 名前:cup
  • 他:初期値のまま(気になる方は画像を参照ください)

OKを選択すると、黒色の画像が配置され、展開した十字が白い罫線で引かれた状態になります。


次にテスクチャとなる画像をポリゴンメッシュに関連付けます。

右側のプロパティ欄をマテリアルプロパティに切り替え+新規をクリックしてマテリアルを作成します。

作成したマテリアルの設定欄の中で、ベースカラーの左側に黄色い小さな丸(赤枠部)があるので、それをクリックして、画像テスクチャを選択します。


すると、ベースカラーの下が+新規   開くに切り替わります。

+新規の左側にアイコン(赤枠部)があるので、それをクリックして、cup(テスクチャとなる画像)を選択して下さい。

湯呑みが真っ黒になれば、関連付けに成功です。


テスクチャを描く

右側のプロパティ欄をアクティブツールとワークスペースの設定へ切り替えます。

平面図と立体図の違いについては前回の記事で取り上げていますので、知りたい方はこちらの記事を参照してください。

完成した状態は次の通りです。


美的センスが無い? デザインの勉強を頑張りますので、今は勘弁して下さいorz


最後に

今回は円柱を改造して湯呑みを作り、テスクチャを貼るところまで実施しました。

前回に引き続き、テスクチャまで終えた作品を作ったので、一緒にやっている方は手順についてだいぶ慣れたのではないかと思います。

 

記憶にとどめる為に、今回やった内容について復習です。

  1. ポリゴンメッシュの湯呑みを作る
    平坦な円柱でも押し出しやスケールを使えば複雑な形状に仕上げられます。
    全体的な滑らかさが欲しい場合、スムーズシェードで実現出来ます。
    ソリッド化を行えば、平面しかないポリゴンメッシュに立体感を作れます。

  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
    UV展開時にどのように切り分けるか考えながら、シームを設定しましょう。
    シームの入れ方で、テスクチャのやりやすさが変わってきます。

  3. UV展開
    細かい造形を描きたい場合にはUV展開した結果を方形にした方が良いです。
    TexToolsを活用して、作業効率化を図りましょう。

  4. ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける
    テスクチャとなる画像を用意したら、必ずポリゴンメッシュと関連付けましょう。
    関連付けないと私みたいに頭をひねって「出来ない」と嘆く時間が増えます。

  5. テスクチャを描く
    実際にポリゴンメッシュばかりやっていた私が思うに、「描く」行為が大切です。
    描く機会が無ければ、描く方法が身につきません。
    どう描くか、が私の課題になりつつあります。

今後の予定ですが、複数のポリゴンメッシュを使ったモデリングを行っていこうと考えています。

それが次回なのか、それとももっと先なのかは、次の記事を楽しみに待っていてください。


もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。


【2021/07/31更新】

次のステップとして、十字架のモデリングとテスクチャ作成方法を記事にしました。

お時間のある方は、是非クリックをお願いします。

 

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!


エラーコード 0089002D を解決する方法【 TVチューナー:PIX-DT012 】

こんにちは、Akira(Type-EDGE)です。 先日、パソコンに接続したテレビチューナーが正常に動作しなくなってしまった為、修理してほしいという案件をいただきました。 「パソコンでテレビを観る人って、本当に存在するのですね」と本音を漏らしかねましたが、最終的に映像と音声を出力...