2021/07/29

Blender初心者向け モデリング方法 - 湯呑みのモデリングとテスクチャ -

 

こんにちは、a-keyです。

今回はblenderの使い方を身に付ける為に、円柱を元に湯呑みをモデリングしていきます。

 

Blender初心者の方で前回の記事を見ていない場合、前回の記事から読んだ方が理解が深まると思います。

前回のモデリングをした時の記事は下記のリンクです。


本記事はblenderの使い方をメインに取り扱っています。

今回のモデリングは基本的な操作だけで行えますので、次のような方々向けの内容になっています。

  • Blender2.9をインストールして放置している方
  • Blender2.9を始めたばかりの方
  • Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方


それでは、今回も楽しくやっていきましょうッ!

 

 【初心者向け】Blender2.9の使い方 – 湯呑みのモデリングとテスクチャ作成

 

作業工程の確認

まず最初に、これからやる作業の工程について把握します。

  1. ポリゴンメッシュの湯呑みを作る
  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
  3. UV展開
  4. ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける
  5. テスクチャを描く


見ての通り、作業の工程に関しては前回と相違ありません。

とはいえ、今回は自動生成したポリゴンメッシュ自体を使用せず、湯呑みの形となるようにモデリングしてからテスクチャを貼ります。

モデリングをする際に使用するコマンドは、今後覚えた方が良い基本操作しか使用しません。

 

モデリングする際にモデルとなる対象物ですが、私はGoogleの画像検索で出た結果を参考にしています。


ポリゴンメッシュの湯呑みを作る

長さの単位を揃える

作品を仕上げていく上で大きさはとても大切です。

今回の湯呑みだって、1メートルを超える大きなサイズにしたら、実際にアニメーションやゲーム等で取り入れて使おうとしても使いにくくなってしまいます(ネタで良いかもしれない)。


なので、長さの単位をミリメートルにします。

プロパティ欄をシーンプロパティに切り替え、長さをミリメーターに設定します。

これで今後、メッシュを操作していく際の単位がミリメートル単位になり、作り上げる3Dモデルの大きさが把握出来るようになります。

 

円柱のポリゴンメッシュを湯呑みに改造する

Shift + A -> Cylinder を選択し、円柱のポリゴンメッシュを用意して下さい。

ポリゴンメッシュを生成時に左下でサイズを指定できるので、次の設定にします。

  • 頂点:16
  • 半径:60mm
  • 深度:100mm
  • ふたのフィルタイ:なし

ふたのフィルタイをなしに設定することで、円柱の上下にふたが無い状態となります。

 

さっそく、円柱のポリゴンメッシュを改造していきましょう。

オブジェクトモードから編集モードへ切り替えます。

湯呑みは上が一番広くて、下に行くに連れて窄まっている形状をしているのが一般的ですので、まずは上面を広げます。

Alt + L Click で上面の点を全て選択し、S Keyでスケール調整を行います。

スケール調整時、Shift Keyを押しながらマウスカーソルで調整していくと、ゆっくり動くので思い通りの形になります。


次は底の形状を整えていきます。

底はなだらかな曲線を描いて窄めていきます。

Alt +L Click で底面の点を全て選択し、E -> Z KeyでZ軸方向へ押し出します。

押し出す長さは1マス程度(グリッド尺:1mm)で十分です。

押し出した点を選択した状態のまま、S Keyを入力し内側へ縮めます。

底面になだらかな傾斜が付くように同じ動作を、あと2回繰り返して下さい。 

すべて終えると、縦列には計5個の頂点が並んでいる形になります。

 

高台となる個所を整えていきます。

テンキーで7 -> 9を入力し、底面が前に表示するに切り替えます。

Alt + L Click で底面の点を全て選択し、E -> S で高台となる面を作成します。

面の作成を終えたら、F Keyで底面を閉じてください。

点選択から面選択へ切り替え、高台となる面を全て選択します。

テンキーで1を入力し、横から見た状態に切り替え、E -> Z でZ軸方向へ面を押し出します。


高台まで仕上がったので、湯呑みの形状が出来上がりました。

しかし、ちょっと全体的に角ばっていますよね。

全体的に丸みを帯びた形にしたいので、角を取る処理を加えます。

A -> R Click -> スムーズシェードを実施します。

スムーズシェードはその名前の通り、全体の角を取り滑らかにしてくれます


最後に厚み付けを行います。

現状のモデリングではペラペラの紙のような平面がつながり合っているだけです。

側面から見る分には問題ないですが、上面の視点から見ると違和感があります。

なので全体に厚みを付けて、湯呑みらしく整えていきます。

編集モード -> オブジェクトモード に切り替えて下さい。

A Key でオブジェクト全体を選択して、プロパティ欄をモディファイアープロパティに切り替え、モディファイアーを追加をクリックします。

ソリッド化のモディファイアーを選択すると肉付けがされますので、幅を以下の設定にしてください。

  • 幅:5mm
  • オフセット:初期値のまま

ソリッド化の右側にあるアイコンの中から、vを選択し、適用をクリックして下さい。

厚み付けを行ったソリッド化がペラペラのメッシュに適用され、立体的な造形になります。

これにてポリゴンメッシュの湯呑みが完成です。


ポリゴンメッシュへシームを設定する

今回作成している湯呑みは以下のパーツに切り分けます。

  • 湯呑みの中(液体の入る部分)
  • 湯呑みの外(手で持つ部分)
  • 底(高台の部分)

 

湯呑みの中を切り分ける

オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えて下さい。

テンキーの7を入力し、Z軸方向から表示して下さい。

辺選択にし、Alt + L Clickで湯呑の内側となる最も上の辺を選択します。

Ctrl + E -> シームをマーク で設定します。

 

湯呑みの底を切り分ける

テンキーの9 -> 8 -> 8を入力し、-Z軸方向の斜めから表示して下さい。

Alt +L Clickで高台の部分を選択し、Ctrl + E -> シームをマーク で設定します。


デザイン性を重視したい湯呑みの外側は円柱状だと塗りにくいので、切り開きます。



テンキーの1を入力し、Y軸方向から表示して下さい。

上部のシームから高台のシームまでの間を辺選択し、シームを設定して下さい。


UV展開

シームに沿ってUV展開を行います。

A -> U -> 展開 を選択して、作業領域のタブを Layout -> UV Editingへ切り替えます。

 

このままだと湯呑みの外側が弧を描いており、扱いにくいのでTexToolsで方形にします。

TexToolsを導入していない方はこちらの記事から導入下さい。作業効率が良くなります。


湯呑みの外側となる展開図を L Key + マウスカーソル で選択します。

UV -> Rectify で選択した展開図を方形にします。

変換した結果、グリッドの範囲から出てしまった場合、スケール(S Key)で縮小してサイズを整えます。

また湯呑みの外側は縦方向より横方向の方が自然に描けるので、選択や移動、回転で平面図の位置を調整します。


ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける

最初にテスクチャとなる画像を新規作成します。

作業領域のタブをUV Editing -> Texture Paint へ切り替え+新規をクリックします。

新規画像のポップアップが出てくるので、次のように設定します。

  • 名前:cup
  • 他:初期値のまま(気になる方は画像を参照ください)

OKを選択すると、黒色の画像が配置され、展開した十字が白い罫線で引かれた状態になります。


次にテスクチャとなる画像をポリゴンメッシュに関連付けます。

右側のプロパティ欄をマテリアルプロパティに切り替え+新規をクリックしてマテリアルを作成します。

作成したマテリアルの設定欄の中で、ベースカラーの左側に黄色い小さな丸(赤枠部)があるので、それをクリックして、画像テスクチャを選択します。


すると、ベースカラーの下が+新規   開くに切り替わります。

+新規の左側にアイコン(赤枠部)があるので、それをクリックして、cup(テスクチャとなる画像)を選択して下さい。

湯呑みが真っ黒になれば、関連付けに成功です。


テスクチャを描く

右側のプロパティ欄をアクティブツールとワークスペースの設定へ切り替えます。

平面図と立体図の違いについては前回の記事で取り上げていますので、知りたい方はこちらの記事を参照してください。

完成した状態は次の通りです。


美的センスが無い? デザインの勉強を頑張りますので、今は勘弁して下さいorz


最後に

今回は円柱を改造して湯呑みを作り、テスクチャを貼るところまで実施しました。

前回に引き続き、テスクチャまで終えた作品を作ったので、一緒にやっている方は手順についてだいぶ慣れたのではないかと思います。

 

記憶にとどめる為に、今回やった内容について復習です。

  1. ポリゴンメッシュの湯呑みを作る
    平坦な円柱でも押し出しやスケールを使えば複雑な形状に仕上げられます。
    全体的な滑らかさが欲しい場合、スムーズシェードで実現出来ます。
    ソリッド化を行えば、平面しかないポリゴンメッシュに立体感を作れます。

  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
    UV展開時にどのように切り分けるか考えながら、シームを設定しましょう。
    シームの入れ方で、テスクチャのやりやすさが変わってきます。

  3. UV展開
    細かい造形を描きたい場合にはUV展開した結果を方形にした方が良いです。
    TexToolsを活用して、作業効率化を図りましょう。

  4. ポリゴンメッシュとテスクチャを関連付ける
    テスクチャとなる画像を用意したら、必ずポリゴンメッシュと関連付けましょう。
    関連付けないと私みたいに頭をひねって「出来ない」と嘆く時間が増えます。

  5. テスクチャを描く
    実際にポリゴンメッシュばかりやっていた私が思うに、「描く」行為が大切です。
    描く機会が無ければ、描く方法が身につきません。
    どう描くか、が私の課題になりつつあります。

今後の予定ですが、複数のポリゴンメッシュを使ったモデリングを行っていこうと考えています。

それが次回なのか、それとももっと先なのかは、次の記事を楽しみに待っていてください。


もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。


【2021/07/31更新】

次のステップとして、十字架のモデリングとテスクチャ作成方法を記事にしました。

お時間のある方は、是非クリックをお願いします。

 

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!


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