2021/07/31

【初心者向け】Blender2.9の使い方 – 十字架のモデリングとテスクチャ作成

 

こんにちは、a-keyです。

今回はゲームでお馴染み、聖なる証である十字架をモデリングしていきます。

 

十字架という言葉を聞くだけでワクワクしますよね(しませんか………)。

十字架というシンボルはアニメーション作品やゲームの中で多用されており、その使い方はパッと思い浮かべただけで次のものがあります。

  • アクセサリーや武具等、身につけるもの
  • 攻撃や回復時のエフェクト
  • 背景や仲間が蘇生待ち状態のオブジェ

聖や生命のシンボルとして扱われますが、テスクチャで色を変えれば禍々しい姿となり汚染された生命にも見られる等、活用の幅が広がります。

万能すぎるので、さっさと始めましょうッ!


ちなみに「この記事に直接来たよ」という方や「今回の記事が難しかったよ」という方は以下の記事を読んでいただければと思います。

 

 本記事はblenderの使い方をメインに扱っており、複雑な操作方法は極力避けるようにしています。

今回の記事はBlender初心者を対象としており、以下の方々向けの内容となっています。

  • Blender2.9をインストールして放置している方
  • Blender2.9を始めたばかりの方
  • Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方


作業工程の確認

まずは毎度お馴染みになりますが、これからやる流れについて全体的に俯瞰します。

  1. 十字架のポリゴンメッシュを作成する
  2. 宝石のポリゴンメッシュを作成する
  3. ポリゴンメッシュへシームを設定する
  4. UV展開(十字架と宝石)
  5. 各展開結果をテスクチャと関連付ける
  6. テスクチャを描く

今回は十字架と宝石、二つのオブジェクトをそれぞれ作成します。

それら二つのオブジェクトを一つの展開図として、テスクチャに割り付けます。

 

モデリングをする際に参考とするモデルですが、私はGoogleの画像検索結果を使用しています。


各作業の内容について、以下で詳しく紹介していきます。


十字架のポリゴンメッシュを作成する

長さの単位を設定する

元となる正方形のメッシュを設置する前に、まずは寸尺を揃えます。

今回はアクセサリー向けに作成する予定なので単位はミリメーターとします。

プロパティ欄をシーンプロパティに切り替え、長さをミリメーターに設定します。


十字架部分のポリゴンメッシュを作成する

元となる正方形のメッシュポリゴンを配置します。

Shift + A -> メッシュ -> Cube を選択して、寸法を以下に設定します。

  • x = 5mm
  • y = 5mm
  • z = 5mm

編集の手間を省く為に、ミラーモディファイアを設定します。

ミラーモデファイアとは指定した軸を中心として、鏡合わせのように、左右で同じメッシュポリゴンを自動生成してくれます。

よって片側だけを造形すれば済むので、左右のバランスを気にせずに済みますし、何より作業量が半分で済みます。

プロパティ欄をモディファイアープロパティに切り替えモディファイアーを追加 -> ミラー を選択して下さい。

ミラーモディファイアの設定は次になります。

  • 座標軸 : X
  • クリッピング : ON
  • マージ : ON 0.1mm

クリッピングをONにすることで、中心線となる座標軸を越えて点を移動出来ません。

マージをONにすると、中心となる座標軸に複数の点がある場合、自動的にそれらの点を結合してくれます。


では実際に十字架のモデリングを行います。

オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

テンキーの1 を入力して表面に表示を向けます。

面選択 に切り替え、上面を選択し、E -> Z で面をZ軸方向へ10mm押し出します。

左右に関しても同じく面選択を行い、それぞれを10mm押し出して下さい。

下面は20mm押し出します。

 

ただの十字の形では寂しいので、先端に少し細工を加えましょう。

加工できるように、十字の各先端部分にループカットを入れます。

テンキーの1 -> Ctrl + R でループカットを入れたい個所を選択して下さい。

  • 十字架の上及び左は、中点から10mmの位置でループカットを入れます。
    右側はミラーで自動生成されるので、ループカットは不要です。
  • 十字架の下の部分は、中点から20mmの位置とします。

辺選択 に切り替え、ループカットでいれた各辺をAlt + L Click -> S で以下の設定値で拡大します。

  • X : 1.5
  • Y : 1.0
  • Z : 1.5

 

ミラーモディファイアの適用を行います。

モディファイアはUV展開までに適用しておかなければ、正常にUV展開が実施出来なくなります。

これ以上、メッシュを操作しない状態にまでモデリングを終えたら、モディファイアは適用させましょう。

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

プロパティ欄をモディファイアープロパティへ切り替えます。

追加したミラーモディファイアの右のアイコンにあるvをクリックし、適用を選択して下さい。


十字架の中心に配置する丸い宝石を作成する

十字架の中心に宝石を配置するので、球のポリゴンメッシュを作成します。

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

Shift + A -> メッシュ -> UV Sphere を選択し、サイズや位置を以下に設定します。

  • セグメント : 8
  • リング : 4
  • 半径 : 2mm
  • 位置 : X = 0mm, Y = -2mm, Z = 0mm

生成した球は角があるので、表面を滑らかにします。

球を選択した状態で R Click -> スムーズシェード を選択して下さい。

 
以上で今回作成する十字架のモデリングは完了です。

 


ポリゴンメッシュへシームを設定する

今回は十字架部分と宝石の二つをモデリングしましたので、シームは以下の設定とします。

  • 十字架の表面
  • 十字架の裏面
  • 十字架の外周
  • 宝石(シームを設定しないでこのままUV展開する)

 

十字架(立方体)を選択し、オブジェクトモード -> 編集モードへ切り替えます。

辺選択 に切り替え、テンキーの1 -> Ctrl + L Click で表面及び裏面と外周を隔てる辺を選択します。

外周の底にある辺の一つを選択し、輪の状態にならないようにします。

選択を終えたら、Ctrl + E -> シームをマーク でシームを設定します。


UV展開(十字架と宝石)

シームの設定を終えたので、さっそく平面図に展開しましょう。

今回は二つのオブジェクトがある状態なので、両方を選択して展開する必要があります。

 

編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。

Shift + L Click で球及び立方体のオブジェクトを選択した状態にします。

選択状態を維持したまま、オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。

A -> U -> 展開 を選択します。

作業領域のタブをLayout -> UV Editing へ切り替えます。

展開結果が重なってしまっている場合、欄外へ出してしまい、成形しながら並べます。

十字架の表裏は同じテスクチャとしたいので、きれいに重ねておきましょう。


もしも展開がうまくいかない場合には、展開したい個所を1か所ずつ選択して展開すると上手くいきますよ。


各展開結果をテスクチャと関連付ける

今回、二つのポリゴンメッシュを一つのオブジェクトと捉えて、UV展開を行いました。

なのでテスクチャとなる画像が1枚だけを作成することとなります。

作業領域のタブをUV Editing -> Texture Paint へ切り替えます。

+新規をクリックし、以下の設定でマテリアルを作成します。

  • 名前 : cross
  • 他 : 初期値のまま(気になる方は画像を参照ください)


十字架部分をテスクチャと関連付ける

最初に十字架のポリゴンメッシュとテスクチャとなる画像を関連付けます。

立方体を選択し、オブジェクトモード -> テスクチャペイント へ切り替えます。

A Keyを入力して全て選択した状態にします。

プロパティ欄をマテリアルプロパティに切り替え+新規をクリックしてマテリアルを作成します。


ベースカラーの右側にある丸(赤枠部)をクリックして、表示されるメニューの中から画像テスクチャを選択します。





ベースカラーの下が+新規 開くの表示に切り替わるので、左側にあるアイコンをクリックし、cross(テスクチャとなる画像)を選択します。

十字架部分の色が黒く染まれば、正常に関連付けが出来ました。





宝石部分をテスクチャと関連付ける

次は宝石部分ですが、処理の方法は十字架部分と同じです。

を選択し、オブジェクトモード -> テスクチャペイントへ切り替え、関連付けを行ってください。


オブジェクトが2つになってもやることは変わりませんが、少しだけ複雑になりますね。


テスクチャを描く

ここまで来たら、あとはテスクチャとなる画像へ色を置く作業となります。

描きたいオブジェクトを選択し、テスクチャペイントモードへ切り替えながら作業を進めていきます。

 

最後に

今回は立方体から十字架をモデリングし、テスクチャを貼るところまで行いました。

今までは一つのオブジェクトに一つのテスクチャを関連付けるだけでしたが、今回は二つのオブジェクトに一つのテスクチャを関連付け、色を塗り分けています。

 

では、今回のモデリングについて復習です。

  1. 十字架と宝石のポリゴンメッシュを作成する
    上下・左右で対象な形状をしている場合、ミラーモディファイアを設定すれば作業量が半分になります。
    ミラーモディファイアを設定する場合には、座標軸の設定を間違えないようにしましょう

  2. ポリゴンメッシュへシームを設定する
    シームの切り分けはUV展開の形状やテスクチャの描き方に影響します。
    どう展開するか? どう描くか? どうすれば作業しやすいか? を考えながらシームを設定していきましょう。

  3. UV展開(十字架と宝石)
    複数のオブジェクトを同時にUV展開出来ます。
    UV展開した時、重なり合ってしまったり、作業しづらい位置・角度だった場合、場外に一度、全て出してしまって並べ替えると良いです。

  4. 各展開結果をテスクチャと関連付ける
    たとえオブジェクトが複数あるのに対し、関連付けるテスクチャが一つであったとしても操作する方法は変わりません。

  5. テスクチャを描く
    ここまで来れば、ツールをどう使うかの話になります。
    Blender標準の描くツールって使い辛いので、見直したいですね。


今回、複数のポリゴンメッシュを使う操作方法について記事にしましたので、今度は複数のテスクチャを使う方法について纏めるのが良さそうですね。

形状も少しずつ複雑になってきていますし、これまで使ってこなかった機能を取り上げるのも良いかもしれません。


もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。


今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。

Blenderに関する記事は他にもあります。

お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。

 

【2021/08/10更新】

次のステップとして、草刈鎌のモデリング方法を記事にしました。

お時間のある方は、是非クリックをお願いします。

  

それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!

 

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