こんにちは、a-keyです。
今回、モデリングするアイテムは草刈鎌です。
草刈鎌を知らない方々の為に簡単に説明しておきますと、農家の方々が使う機会の多い、手に持って草を刈る手動式の刃物です。
サバイバル系のゲームならば、フィールドでアイテム収集時に使ったり、場合によっては武器として使ったりします。
それでは今回もゆったりと作成していってみましょうッ!
ちなみに、初めてきたよって方や今回の記事が難しいよって方は前回の記事を読んでみてください。
【初心者向け】Blender2.9の使い方 – 十字架のモデリングとテスクチャ作成
正方形のオブジェクトから十字架をモデリングし、テスクチャを貼る一連の流れを初心者向けに紹介します。
本記事は初心者向けとなっており、blenderの使い方をメインに書いています。
その為、次のような方々向けの内容となっております。
- Blender2.9をインストールして放置している方
- Blender2.9を始めたばかりで使い方を知りたい方
- Blender2.9でテスクチャをやった事が無い方、やり始めた方
【初心者向け】blenderの使い方 ― 草刈鎌のモデリング(メッシュポリゴン編)
制作内容及び作業工程の確認
まずはこれから作成に当たって実施していく流れについて俯瞰していきます。
特徴は次の通りです。
- 柄の部分には滑り止めめいた何かが巻き付けられている。
- 金属質な刃の部分にはノコギリのギザギザが取り付けられている。
- 刃と柄の間には止め金具が取り付けられている。
構成するパーツは次の通りです。
- 柄
- 柄に巻き付いた持ち手部分
- 止め金具
- 刃
- ノコギリのギザギザ
これらパーツ群のモデリングは次の流れに沿って実施していきます。
- 柄のモデリング
- 持ち手部分の モデリング
- 刃のモデリング
- ノコギリのギザギザのモデリング
- 止め金具のモデリング
過去の記事でモデリングしてきた際に使用してきたコマンドに加え、カーブを使ってメッシュを歪ませる操作を実施します。
各工程については、いつものように次の項目以降で詳しく説明していきます。
柄のモデリング
最初に全体の寸法に合わせて、単位の長さを Meters -> Centimeters に切り替えます。
これで寸法を入力していく時にセンチメートル単位で入力が可能となります。
Shift + A -> メッシュ -> Cylinder で円柱を以下のサイズで生成し、オブジェクトの名前を"柄"とします。
- 頂点:16
- 半径:1cm
- 深度:20cm
- ふたのフィルタイプ:Nゴン
柄が全体の基準となり、今後作成していく各パーツを取り付けていきます。
持ち手部分のモデリング
持ち手部分のモデリングも柄と同じく円柱を使用して行っていきます。
Shift +A -> メッシュ -> Cylinder で以下のサイズの円柱を生成して、オブジェクトの名前を"持ち手"と変更します。
- 頂点:16
- 半径:1.1cm
- 深度:0.5cm
- ふたのフィルタイプ:なし
フィルタイプをなしに設定すれば、円柱の蓋が無くなって、輪が出来上がります。
この輪を螺旋状に作り替えていきますが、その形状を全て手作業で作りこんでいくのは根気のいる作業になってしまいます。
よってモデルとなる部品を一つだけ作り、それをモディファイアによって並べていく方法を取っていきます。
"持ち手"を選択し、オブジェクトモード -> 編集モードに切り替えます。
Alt + L Click で上側の頂点を全て選択し、S Key で (X, Y, Z) = (1.1, 1.1, 1.1)に拡大します。
点選択 -> 辺選択 に切り替え、縦の辺を1か所選択し、メッシュ -> 分離 ->面(選択辺で) をクリックします。
繋がった輪の形状だった"持ち手"の1辺に切れ目が入りました。
辺選択 -> 点選択 に切り替え、先ほど作った切れ目の片側をZ軸方向に0.25cmずらして、他の頂点をなだらかな傾斜になる様に G -> Z で移動していきます。
モディファイアの追加で配列のモディファイアを追加し、以下の設定にします。
- 数:40
- オフセット:(X, Y, Z) = (0, 0, 0.5)
モディファイアの配列機能によって、螺旋状に持ち手部分が出来上がりました。
厚み付けを行う為にモディファイアの追加でソリッド化を追加し、次の設定にします。
- モード:シンプル
- 幅:0.1cm
- オフセット:-1.0
- ふち:フィルを有効
幅を0.1cmにすることで、"柄"と"持ち手"の位置がちょうど重なるようになり、空白が目立つようなことが起きません。
二つのモディファイアの設定を終えたら、配列のモディファイアだけ適用します。
オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。
"持ち手"を選択した状態で、A -> G -> Z で"柄"の良い位置に移動させます。一般的な形状を見る限り、中間よりもやや下側の方が良いでしょう。
編集モード -> オブジェクトモード へ切り替え、モディファイアのソリッド化を適用します。
これで手で"持ち手"部分が完成しましたので、今度は刃部分へ移ります。
刃とノコギリのギザギザのモデリング
オブジェクトモードで Shift + A -> メッシュ -> Plate を選択し、次の設定にします。
- サイズ:10cm
- 位置:(X, Y, Z) = (-3, 0, 14)
- 回転:(X, Y, Z) = (90, 0, 0)
平面のオブジェクトの名前を"刃"に改名し、オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。
Ctrl + R で"刃"のZ軸方向へループカットします。- 分割数:13
点選択 で各頂点を選択し、G -> Z でZ軸方向に移動させ、刃の形を作っていきます。
"刃"の形に沿ってノコギリのギザギザを付けたいので、このオブジェクトから形を切り出してカーブオブジェクトを生成します。
ノコギリのギザギザが付く箇所の頂点を全て選択し、P -> 選択 で別のオブジェクトに分離させます。
分離したオブジェクトは"刃カーブ"と命名します。
編集モード -> オブジェクトモード に切り替えてください。
"刃カーブ"を選択し、オブジェクト -> 変換 -> メッシュ/テキストからカーブを選択して、メッシュオブジェクトからカーブオブジェクトに変換します。
カーブオブジェクトを使ってメッシュオブジェクトを曲げる場合、位置が同じ位置にないと曲がる方向が異なるので操作し辛くなります。
なので、曲げる元となるカーブオブジェクトの位置を原点へ移動しておきます。
カーブオブジェクトとなった"刃カーブ"の位置を(X, Y, Z) = (0, 0, 0) へ移動します。
Shift + A -> メッシュ -> Plate を選択し、以下のサイズにします。
- サイズ:0.2cm
- 位置:(X, Y, Z) = (0, 0, 0)
- 回転:(X, Y, Z) = (90, 0, 0)
名前は"ノコ"にしました。
オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。
Ctrl + R でX軸方向に2等分し、下側(外側)となる頂点を全て選択したら、M -> 中心に を行い、中間の位置でマージさせます。形状が野球のベースホームのような形となりましたね。等間隔なのもおかしいので、Y座標方向にG Keyで移動させます
編集モード -> オブジェクトモード へ切り替えます。
モディファイアの追加でカーブモディファイアを次の設定で追加します。
- カーブオブジェクト:刃カーブ
- 変形軸:X
配列のモディファイアも追加しましょう。
- カーブに合わせる:刃カーブ
- オフセット:(X, Y, Z) = (1, 0, 0)
- マージ:有効(0.1cm)
これら二つのモディファイアの設定を終えたら、両方とも適用しましょう。
適用しないと移動した際、カーブの影響で意図せぬ角度になってしまいます。
これで"刃"と、それに取りつく"ノコ"が平面の状態で完成しました。
"刃"は"ノコ"の方へ行くにつれて薄くなっていくようにしたいので、ソリッド化の幅は以下の設定値にします。
- "刃"のソリッド化の幅:0.3cm
- "ノコ"のソリッド化の幅:0.1cm
"刃"を選択して、オブジェクトモード -> 編集モード に切り替えます。
通常にループカットを入れただけでは、"柄"の方へ繋がる面も厚みが変わってしまうので、影響が出ないように K Key で切り込みを入れます。
これで厚みを整える準備が出来たので、編集モード -> オブジェクトモード に切り替え、モディファイアを適用します。再び オブジェクトモード -> 編集モード とし、"ノコ"が取りつく辺を全て選択し、幅を0.1cmとなるようにG -> Y で移動させます。
幅を整えたら、編集モード -> オブジェクトモード に切り替え、"ノコ"の位置を"刃"の位置に合致するようにG Keyで調整します。
"ノコ"の位置は凡そ次の値になります。
位置:(X, Y, Z)=(-3, 0.2, 14)
最後に"ノコ"のギザギザ部分が交互に尖るようにモデリングしていきます。
"ノコ"を選択し、オブジェクトモード -> 編集モード へ切り替えます。
ギザギザ部分が鮮明に見えるように近付き、点選択 で"ノコ"の刃先である二つの頂点を選択します。選択したら、M -> 最初に選択した頂点に で結合しましょう。
M Key で実行するマージは選択した頂点を結合してくれます。
その結合方法は5種類あり、主に使うのは次の3つです。
- 最初に選択した頂点に:最初に選択した頂点の座標を基準に他の頂点を結合する
- 最後に選択した頂点に:最後に選択した頂点の座標を基準に他の頂点を結合する
- 中心に:選択した頂点の中心位置となる座標で全ての頂点を結合する
今回はギザギザ部分が交互になるようにしていきたいので、選択順に合わせて最初か最後頂点に結合をしていってください。
ギザギザを結合し終えれば、"刃"及び"ノコ"のポリゴンメッシュは全て完了です。
止め金具のモデリング
メッシュモデリングの最後は、柄の部分に取り付ける止め金具です。
もうここまでやってきた方ならば、ピンときているかもしれません。
画竜点睛という言葉もありますので、しっかりやっていきましょう。
編集モード -> オブジェクトモードに切り替えます。
Shift + A -> メッシュ -> Cylinder で円柱を生成し、次の設定にします。
- 頂点:16
- 半径:1.1cm
- 深度:1cm
- ふたのフィルタイプ:なし
- 位置:(X, Y, Z)=(0, 0, 9)
名前を"留め具"にし、モディファイアの追加でソリッド化を追加して、次の設定にしましょう。
- 幅:0.1cm
- オフセット:-1.0
- ふち:フィルを有効化
以上で全てのメッシュポリゴンの製作を終えました。
今回はパーツが多かったので、若干長かったですね。
最後に
今回は草刈鎌のモデリングを行い、ポリゴンメッシュまでを作成しました。
完成してしまえば簡単な見た目ですが部品点数も多く、思ったよりも複雑だったのではないでしょうか。
冒頭でも記載致しましたが、シームの設定からテスクチャまでの工程は、以前の記事と何も変わりませんので、そちらを参照してください。
重要な所だけ、復習します。
- 同じ形状のものが並ぶ場合、モディファイアの配列を使用しましょう。配列のモディファイアを適用する前にメッシュを動かしてしまうと、複製した全体に影響が出てしまうので、個別に動かす場合には適用する必要があります。
- カーブオブジェクトを使ってメッシュを曲げる場合には、原点の位置を揃えましょう。原点が揃っていないと、メッシュは思いもよらぬ方向へ曲がってしまいます。
もし本記事を読んで作成出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。
今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。
Blenderに関する記事は他にもあります。
お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。
それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!
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