2022/08/29

地域金融機関の連携、Big Advance(ビッグアドバンス)の紹介とその実態

こんにちは、Akira(@slide_japan)です。

Big Advance(ビッグアドバンス)という言葉に聞き覚えはありますか?

このサービスは、今後の日本を支える中小零細企業にとって欠かせない存在になるかもしれません。

一体どのようなサービスなのか? サービスの現状はどうなのか? 実際に登録して試してきましたので、皆さんに紹介したいと思います。


それでは、さっそく行ってみましょうッ!


地域金融機関の連携、Big Advance(ビッグアドバンス)の紹介とその実態

 

Big Advanceのトップページ

Big Advance(ビッグアドバンス)とは?

Big Advance とは全国の金融機関が連携して企業へ経営支援サービスを行う、株式会社ココペリのサービスです。

 

サービスを受けるには企業側の場合、月額3,300円のランニングコストが生じますが、金融機関によるビジネスマッチングや補助金・助成金の情報提供、士業連携による申請書作成、従業員満足度向上を目的とした福利厚生サイトの活用といった機能を利用できるようになります。


サービスのターゲットである企業は、もちろん日本をけん引する大企業も含まれていますが、その多くは地域の金融機関と取引のある中小零細企業となっています。

都道府県を跨ぎ、日本全国の地域金融機関が連携し、中小零細企業が成長できるように経営支援を行なっていく点がポイントです。


実際に使ってみてAkira(@slide_japan)が感じたこと

サービスの概要がわかったところで、実際に使って見て感じた点について先に記載していきます。

ちなみに私はこの記事を書くにあたり、株式会社ココペリを含む一切の企業・金融機関からお金はもらっていませんので、サービス利用者自身の視点で記載して行くことを先に明記しておきます。

 

サービスが良くないと怒る女性

Big Advanceのサービスを利用して最初に感じた一言は「微妙」でした。

サイトに書かれている機能を確かに利用でき、どれも大切な機能ばかりです。

「利用できるが、一歩踏み込みが足りないよね?」という後味が残りました。


どうして、このような悪い感情を抱いてしまったのか、Big Advanceでできることと実際に使った時の事実について、以下で詳しく説明していきます。


Big Advance で実現できること

地域金融機関と企業が連携するBig Advanceでは、ユーザとなる企業側は以下のことができるようになります。

なお、私は金融機関側としての利用はしたことがないので、その点については記載できません。

 

ビジネスマッチング

握手をするビジネスマン

金融機関同士が連携しているので、地域の枠組みを超えたビジネスマッチングを行います。

これまでの地域金融機関では自分達が影響を及ぼせる範囲に限りビジネスマッチングを行ってきましたが、情報化・グローバル化が進む昨今において、地元地域の企業だけで解決できる案件は少なくなってしまいました。

しかし、Big Advanceに参加した金融機関であれば、参加する金融機関同士が連携し、困っている企業の課題解決に向けてサポートを行います。

地域金融機関の強みは、地場産業を知り尽くしている点です。

地域にある企業のメリット・デメリットを深く知っており、一般的に知られていない技術や、専門性に特化した強みについて、彼らのデータベースには揃っています。

地域金融機関同士の連携により適切な情報提供が行われますので、あなたが抱えている問題を解消する糸口になるかもしれません。

 

金融機関との連絡チャット

チャットする銀行マン

 

普段、金融機関の方と連絡するときは、電話やメールを使っていませんか?

これらの連絡手段だと、言葉だけで伝えるので意思疎通が難しかったり、レスポンスが悪くて進展が進まなかったりしますよね。

Big Advanceでは自分のメインバンクの担当者とチャットで連絡を取り合う機能があります。

チャットならば相手の都合を気にせずに連絡を送れますし、文字や言葉だけでは伝えにくい内容であったとして画像や資料を送る手段をとれます。

 

安否確認

災害が発生した時

会社が非常事態に陥ってしまった時の対策は実施していますか?

東日本大震災を始め、近年では洪水の伴うゲリラ豪雨や異常気象が日本を襲っています。

自社の操業に影響を及ぼしかねない事案が起きた時、社員へ通達したり、彼らの安否を確認するのは、事業継続計画(BCP)として企業として求められる行為の一つとなっています。

Big Advanceでは安否確認をワンプッシュで行えるアプリが用意されています。

ひと目で従業員の状態を把握できる仕組みになっていますので、緊急時における情報共有手段として選択肢の候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 

ホームページ作成

Webデザインの様子

昨今では企業の窓口としてホームページを用意するのが一般的となりました。

まさか、まだ自社サイトを用意していないなどという暴挙はないと信じますが、そのサイトはどこかのIT企業に管理を依頼していませんか?

ドメインやレンタルサーバーの管理、サイト全般の情報更新など、管理対象は多岐に渡りますので、その依頼額は安くても月に数万円程度の費用がかかっているでしょう。

Big Advanceではフォーマットに入力するだけで、簡単に自社サイトを作る機能があります。

以下のように考えている方は経費削減の為に、切り替えを検討しても良いかもしれません。

  • 窓口としてのサイトで良いという方
  • 創業したばかりで費用をかけられない方
  • 自社サイトにクオリティを求めない方
  • 自分達でビジネスをアピールしたい方

 

ビジネスチャット

チャットする女性

テレワークが一般化し、それに伴って連絡手段が電話やメールからチャットへと変わっていきました。

チャットの場合、有名なサービスだと slack や chatwork がありますね。

Big Advanceでは社内向けにビジネスチャットを行える機能がありますので、他のサービスを利用せずに済みます。

チャット機能を使った限り、上記に挙げたチャットサービスと遜色のない動きとなりました。

他の社員からチャットが送られてくると、メール通知を受けれますので確認漏れを防げる仕組みになっています。

設定できるアカウント数ですが、従業員であれば無制限です。

未だに電話やメールなどの前時代の情報共有を行なっているのならば、これを機に導入してみてはいかがでしょうか?

 

士業相談

裁判所の案内

会社を経営するにあたり、法律に絡む困難な問題が起きますよね。

販売権や労使、輸出入など、理解するには難しい法律が多く、それらに手を焼いている方も少なくないはず。

この問題、どこに相談すればいいんだ。という心の叫びを挙げた方もいらっしゃると思います。

Big Advanceでは士業相談を行える環境が整っています。

地域金融機関連携と同様に、日本全国の行政書士や弁護士が経営をサポートしてくれます。

 

補助金・助成金の情報提供とワンストップ申請

書類作成に悩む様子

会社を経営していると、意外に大切なのが補助金や助成金です。

世界的に猛威を振るった新型感染症の際には、飲食店や観光地に対し政府が多大な助成金を投与して経営存続に向けた支援を図ったように、合理的な経営には欠かせない存在です。

そんな補助金・助成金に関する最新情報を毎週お知らせしてくれます。

地域や業種ジャンルについての市区町村単位での絞り機能もありますので、自社に適合した情報を提供してくれます。

また士業相談と掛け合わせることで、ワンストップに申請を行えます。

 

福利厚生クーポンサイト「FUKURI」の活用

福利厚生を楽しむ女性

従業員向けに日本全国のお店で使えるクーポンや優待券を提供しています。

数に制限はなく、登録された従業員全員が使える点がポイントです。

一方で、クーポンを登録する店舗側は広告掲載料などを支払わずに登録を行え、かつ自社のオウンドサイトへの誘導をして良い為、ピンポイントで顧客を自社サイトへ流入させることができます。


Big Advanceを使用するデメリットについて

実現できることが多いBig Advanceですが、月額3,300円のサービスです。

そのランニングコストがかかることを前提として考えていくと、実現できる事の中にはデメリットになりうるものが含まれています。


ホームページは簡単に作れる時代になってしまった

Webデザインとノート

昨今、Web制作は非常に活発化しており、簡単なコーポレーションサイトならば専門のWebデザイナーに依頼しても数万円で仕上げてくれます。

またテクノロジーの知識を持っている方ならば、ご自身でWordPressを使用できるでしょう。

WordPressならば既存のテーマに文章と画像を差し込むだけで、とても見栄えのする自社サイトが簡単に制作できてしまいます。

ノンコーディングでデザイン性の高いホームページを作れる現代において、Big Advanceのホームページ作成機能は、相対的に魅力が劣ってしまいます。


チャットツールは有名どころの方が利用しやすい

チャットツールを使う様子

チャットツールは社員や行員とだけで行うものではなく、最近では顧客と連絡を取り合うツールとしても利用されています。

ビジネス上の仲間と連絡を取り合う際にだって使用するでしょう。

そのような場面で、相手がBig Advanceのチャットツールを使っている確率はかなり低いです。

どうしてもメジャーなSlackやChatworkにユーザが集まっていますので、これらを使用する機会が高くなってしまいます。

ならば社内もSlackやChatworkで統一した方が、利便性が高くなり、社員や顧客、その他のビジネスに関わる全ての方との流動性が高くなると考えられます。


仕業相談の相手を本当に信頼できるか

こっそりと相談する男

会社で起こった問題を、初めて会う方に全てを委ねる勇気はありますか?

仕業相談で出会った相手の実績は、情報サイトなどで検索すれば分かるかもしれませんが、その素性や人間性まで理解するには時間がかかります。

会社を経営していれば、顧問弁護士や会計士など法律の専門家が関わっています。

普通であれば、まずは身近にいる信頼のおける方に相談しますよね?


実際に使った時に起きた、4つの意外な事実

Big Advanceというサービスの概要がわかったところで、実際に使ってみて起きた事実について記載していきます。

 

金融機関担当者とのチャットは音信不通に終わった

繋がらないでいらだつ女性

実際に金融機関担当者と連絡を取ろうと思い、チャットで連絡を送ってみましたが、1日経っても連絡は返ってきませんでした。

これはBig Advanceのサービスの問題ではなく、地域金融機関の対応力が問われる内容だと考えていますが、現実がここにあります。

結局、電話連絡をすると、Big Advanceで連絡が送られているという事実さえ担当者は知らなかった状態でした。

 

ビジネスマッチングの機会などなかった

一人で寂しがる猫

これは製造業を営む社長から聞いた話ですが、このサービスを一年間、利用したけれど、その間に一度もビジネスマッチングの機会はなかったとのことです。

地域金融機関側からの打診も無ければ、サービスの新着通知からもその類いの情報はありません。

取引のある地域金融機関の実力次第なのかもしれませんが、ちょっと残念な結果ですね。

 

チャットツールの使い勝手がイマイチ

チャットで連絡を取り合う

私はビジネス向けチャットツールとして、slack と chatwork の両方を実務案件と私的案件で使い倒しています。

そんな私からすると、BigAdvancaのチャットツールはイマイチと言わざるを得ませんでした。

  • アプリがない

チャットツールを使用するにはブラウザでWebからログインする必要があります。 

最近、シームレスにつながるサービスが多くなってきている中で、ブラウザを開いてログインしてチャットツールを選択して画面を開くという動作は煩雑以外の何ものでもありません。

  • 通知はメールにくる 

ブラウザでログインするという点で察した方も多いかもしれませんが、相手からチャットが送られてきた場合、その通知はメールにのみきます。

ブラウザの通知機能とかWindows通知は非対応です。

これって、メールが日に何十件もくる人は見逃しますよね? 

  • ドラッグ&ドロップ(D&D)非対応

ビジネスをするならばファイル転送は行なって当たり前のはずですが、なぜかD&Dに対応していません。

正確にいうと、添付ボタンを押してからD&Dしないといけない謎仕様になっており、他のチャットツールのノリでファイルをD&Dすると、ブラウザでファイルを表示するという事態に陥ります。

誤操作を防止する為にも、素直にD&D対応を目指すべきです。

 

福利厚生「FUKURI」は微妙な状態

微妙な表情を浮かべる男

このサービスを一言で言うならば、ネット上に無料で公開されているクーポンサイトです。

それ以上の文章を記載するのが難しいので、この内容で勘弁してください。


批判はあるけれど、良いと認めている2つのポイント

失敗を慰める男

全体的に批判的な眼差しで記載しましたが、サービスはとても面白いと感じています。

 

地域金融機関の連携

昨今、地域金融機関は活力がなく、生き残りをかけて統廃合を繰り返しています

もちろん、こうした状態の背景には企業のグローバル化があり、地域金融機関が得意とした地域という狭い枠組みの中だけでは、金融機関としての役割を果たせなくなった点にあります。

企業がグローバル化の為に活動範囲を広げるのと同時に、地域金融機関においても活動範囲を広げるべく他の金融機関と繋がる必要があります。

このような背景の中で、Big Advanceというサービスは地域金融機関を連携しやすくする仕組みを用意しました

ツールが用意されたのであれば、あとはその利用者である金融機関・企業がどのようにツールを使うのかを問われているのが現状だと、私は感じています。

 

情報化の切り口

中小零細企業の多くは、紙媒体や電話・メールを使った経営を続けています。

昔ながらの経営方法を継続する理由の一つに、新しいことを始めるには資金力と体力が求められ、やりたくてもできないというものがあります。

今まで社内に無かったものを取り入れるには、それに長けた社員がいないと難しいですし、導入に先立ち補佐してくれる存在が必須となります。

そして、導入したからには安定的に活動できるようになるまで面倒を見る必要があります。

担当になった方には自らの業務の他に導入した案件の面倒を見てもらい、かつそのサービスのランニングコストを支払続ける状態となり、人材不足に苦しむ中小零細企業には難しい現実があります

Big Advanceでは、導入の際には金融機関の担当者からのサポートを受けられ、それに加え1ライセンス分の費用を支払えば、全従業員分の環境を整えられる仕様になっています。

  • 従業員の負担を増やさずにサービスを導入したい
  • 自社の営業窓口としてホームページを用意したい
  • ビジネスチャットを社内に広げたい
  • 従業員満足度向上に向けて福利厚生を充実させたい

そんな経営者たちの想いに応えられるサービスになっています。


最後に

今回はBig Advanceというサービスについて紹介しました。


Big Advanceは地域金融機関同士・企業同士が連携する仕組みを提供するサービスです。

会員登録を行なっている企業は中小零細企業から大企業まで幅が広く、その業種ジャンルは多岐に及びます。また企業だけでなく、地方公共団体や医療機関もその枠組みに参加しています。

Big Advanceを導入している金融機関は日本全国にあり、計83行にのぼります。


サービスの特徴は金融機関の連携による企業のサポートを中心としており、それを実現する為に8つの機能を持っています。

これら機能の中には、現代においてビジネスをするには欠かせないものが幾つもあります。

  • ビジネスマッチング
  • 金融機関担当者とのチャット連絡
  • 安否確認
  • ホームページ作成
  • ビジネスチャット
  • 補助金・助成金の通知
  • 士業相談
  • 福利厚生「FUKURI」


実際に使ってみたり、利用者から話を聴いたりすると意外な事実に直面しました。

ビジネスマッチングの機械はなく、地域金融機関とのチャットツールはほぼ機能していません。

もちろん、これはBig Advanceというサービス自体の問題だけではなく、地域金融機関にも問題があります。

ビジネスチャットについては、他社のチャットツールには遠く及ばず、改善の余地があります。

福利厚生サイトについては、ネット上で見つかるクーポンサイトのような状態でした。


現状はちょっと酷い状態ですが、私個人的の感想を言ってしまうと、非常に面白いサービスです。

サービス全体のユーザビリティ向上に加え、地域金融機関の対応能力向上があれば、日本を支える中小零細企業にとって不可欠なサービスに変貌するでしょう。

今はその過渡期であると、信じたいです。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

もし今回の記事が良かったと思った方や評価したいと思った方は、コメントを残して頂けると嬉しいです。

また、私はパソコン以外にも記事を書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。

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