2022/10/24

事業継続計画における安否確認方法と災害に強い一つの手段

こんにちは、Akira(@slide_japan)です。

あなたの勤めている会社では「安否確認」について取り決めがありますか?

昨今では事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を制定し、自然災害や火災、テロに備えるよう中小企業庁が各企業へ求めています。

BCP活動ならびに対策を行っていく上で、重要度の高い項目に挙げられるものとして社員の「安否確認」が位置付けられています。


今回の記事ではBCPにおける安否確認の方法について記載していきます。

「どのような安否確認方法があるのだろうか?」

「危機対策本部を設置した時、もっとも素早く安否確認を行える手段は何か?」

「発生する確率が低いのだから、可能な限りランニングコストは抑えたい」 

実際にBCPを担当している方ならば、こんな悩みや疑問を持ったに違いありません。

 

今回の記事では次のような内容を重視しました。

  • 災害時における安定した通信網の選定

  • 安否確認を行える4つの手段

  • 平時のランニングコストを可能な限りゼロに抑えつつ、安定性の高い安否確認方法

 

災害は私たちが意図せぬ時に発生します。

この記事をきっかけに一度、自社の安否確認について見直しを掛けて頂けたら幸いです。

それでは、さっそく行ってみましょうっ!

 

 事業継続計画における安否確認方法と災害に強い一つの手段
情報通信網のイメージ

 

Akira(@Slide_Japan)がたどり着いた結論

  • 起きないかもしれない災害にはなるべくコストを掛けたくない。

  • だが災害が起きてしまったら、確実に安否確認を行う必要がある。

  • 政府・行政が利用しているSMSが最も安定して発信できる。

  • SMS発信サービスとして、次の2社がオススメ!

    • KDDI Message Cast

    • SMSLINK

 

災害時における通信網について

災害救助

安否確認は何も起きていない平時に行うことはまずありませんので、前提として自然災害や火災、テロなどの非常時を前提とする必要があります。

色々なケースが考えられますが、2011年に起きた東日本大震災(3・11)を例に取り上げます。

東日本大震災では情報通信インフラと称される固定電話・携帯電話・インターネット回線・防災無線すべてに甚大な被害をもたらしました。

全てのキャリアを纏めて記載してしまうと、その被害状況は次の通りです。

  • 固定電話:118万回線

  • 携帯電話の基地局:1500局

  • 防災無線:66自治体

もちろん被害にあわれた自治体では緊急回線と言われる行政レベルの情報通信インフラさえ使用できない状況になりました。

このデータは総務省が発表した平成23年度 情報通信白書に基づきます。

 

このような悲惨な災害が起き、総務省は平成26年に『災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドライン』を発表しました。

このガイドラインは令和2年にVer. 2.1が発行され、国家が自然災害に対して本格的に対策を行おうとする意志を感じさせてきます。

本書によると、災害時における一般住民向けの情報伝達はAP(アクセスポイント)を用いたwifiが有力候補として挙げられています。

市区町村の庁舎が自営無線ネットワークを構築して各行政機関を繋ぎ、その一部を一般住民向けにAPとして公開する構想です。

となると、私たち一般住民はAP経由でwifiを利用した、インターネット回線による安否確認を行うのが妥当だと言えます。


他方で、最近の行政における災害時の通信手段について俯瞰していきます。

台風や近隣国のミサイル発射など、日本へ被害をもたらしかねない事態が生じた場合、行政機関は次の方法にて情報を発信しています。

  • Web掲載

  • SMS

  • SNS

これらツールを使用して情報発信した場合、同時に受け手側がどのタイミングで取得できるか? という即時性が異なります。

また、ツールを利用するのに求められる環境が異なります。


例えばWeb掲載の場合、私たちが読みにいかなければ決して情報はやってきません。

SNSの場合、SNSアプリを導入し、かつ行政機関をフォローしておかなければ適切な情報が通知されません。

SMSの場合、携帯電話の番号を持っていなければ、情報が届きません。

  

これは私の憶測になりますが、大規模災害が起きてインフラが止まってしまった場合、インターネット回線の復旧と同時に電話回線の復旧を行っていきます。

その為、インターネット回線が回復すれば、ほぼ同時に電話回線も回復するでしょう。

可能な限り、緊急時においては平時と同様のシステムを回した方が操作者自身の安定性が高く、かつ受け手側としても操作慣れをしています。

情報が正しく相手に伝わるか否かは、発信者だけに関係しているのではなく、受け手側が適切に受け取れ、かつ処理できるかが問題になります。

受け手側が適切に受け取れない環境にあったり、受け取ってもどうすれば良いか分からなかったりすると、情報が伝わらず混乱が生じるでしょう。

ならば、平時同様の仕組みを利用した方が、緊急時に情報統制が取れやすくなります。

 

安否確認を行える5つの手段・選択

安否確認のイメージ

安否確認の方法は複数あり、災害時における有効性や実施における負担が異なります。

ここでは安否確認の方法を挙げ、有利な点と不利な点について記載していきます。

電話

  • 実施できる規模

    従業員が少ない小規模事業所
  • メリット

    本人と直接会話を行えるので、正確かつ確実な安否確認を行える。

    電話を行った際に本人だけではなく、その家族や他の従業員についての情報を得られる可能性がある。

  • デメリット

    一度に行える人数は一人であり、確認先の人数が増えるに従い、負担が大きくなる。

SMS

  • 実施できる規模

    従業員が少ない小規模事業所
  • メリット

    SMSが利用可能な携帯電話を所持していれば、キャリアを問わずに安否確認を行える。

    メールに比べて受信拒否されるリスクが少なく、確実に届く。

  • デメリット

    文字数が70字に制限され、かつ個別に送信する必要がある。

    1件ずつしか送れない為、送信先が増えるに従い、負担が大きくなる。

メール

  • 実施できる規模

    規模は不問
  • メリット

    メーリングリストなどの機能を有効活用すれば、一括送信を簡便に行える。

    携帯電話を所持していれば、メールはほぼ確実に所持しており、大多数の社員が受信できる環境にある。

    デジタル慣れしていないシニア社員であっても、メールを使える可能性は高い。

  • デメリット

    キャリアの迷惑メールセキュリティによって、除外されやすく、従業員にまで届かない場合が多い。

    キャリアのセキュリティは日々更新されていくため、デジタル慣れしない社員の場合、他の誰かが設定を都度見直してあげる必要が出てくる。

安否確認アプリ

  • 実施できる規模

    規模は不問
  • メリット

    アプリにある機能を利用するので、簡便かつ確実に実施できる。

    サービス提供会社が更新を続けてくれるので、常に安定して利用できる。

  • デメリット

    ランニングコストがかかる(年間15万円程度)

    専用アプリを導入する必要があり、場合によっては従業員の個人端末に導入を強要しなければならない。 

チャットツール

  • 実施できる規模

    規模は不問
  • メリット

    安否確認程度の利用ならば、無料で使用できる。 

    通信状態が安定していれば、リアルタイムに情報収集を行える。

  • デメリット

    アプリの使用率が低いと、ログイン時にID/パスワードを要求されるようになり、安否確認時にログインできない可能性が高い。

    専用アプリを導入する必要があり、場合によっては従業員の個人端末に導入を強要しなければならない。

結局、どのツールが適しているの?

上記の通り、いかなるツールを使ってもメリット/デメリットは存在します。

安否確認は、通常業務において使用するツールではなく、起こるかもしれない大規模災害時に要求されるものです。 

安否確認をしっかりやっても、災害が起きなければランニングコストばかりがかかってしまい、経費の無駄遣いと陰口を叩かれかねません。


また業種によって、従業員のデジタルツールへの理解度は異なります。

情報・サービス業のように日々、情報端末に触れている企業ならばチャットアプリを利用するのが安価かつ確実のように、私は感じています。

対して、製造業のように人数が多く、デジタルツールを普段から使用しない方が多い場合、アプリによる安否確認を導入しても利用できない状況となるでしょう。


このような問題がある中で、安否確認ツールとして最も安定しているのはSMSです。

総務省の発表ではwifiが最も回復するとしていても、電話回線を用いた方が幅広い従業員に対して対応できます。

その理由は以下の通りです。

  • 1980年代には存在しており、デジタル慣れしていない従業員でも扱える。

  • 行政の災害アラートで使用しており、安定性が高く、最優先に復旧を目指す。

  • メールと異なり、キャリアによって受信拒否される可能性が低い。

  • 携帯電話を所有していれば、ほぼ間違いなく利用できる状況にある。


とはいえデメリットとして挙げた通り、SMSは70字までしか送れず、かつ一度に送信できる件数は1件までという、厳しい制約があります。

この制約を解決する必要があり、その為には通信会社が行っているサービスを契約する必要が出てきます。

そのサービスを利用した状態のSMSであれば、字数制限を撤廃でき、かつメーリングリストのように送信先へ一括送信を行える状況になります。

電話のように一人ひとりに話しかける必要もなく、メールのようにキャリアによる受信拒否を対策する必要もなく、安否確認アプリやチャットツールのようにデジタル慣れしていない従業員に対して心配する必要もありません。

 

SMS発信サービスについて

SMS発信サービスの例

本項を記載するにあたって、先に申し上げておきますが、サービス提供会社からお金はもらっていません。

もし頂けるのでしたら、DMまたはコメントを頂けると幸いです。


新しくサービスを契約するとなると、イニシャルコストやランニングコストを気にする方が少なくないでしょう。

私が話した企業様も同様で、可能な限りコストを掛けず、可能であれば利用した時にのみそれなりの額が発生するものが望ましいと考えていました。

その要件を満たすSMS発信サービスとして以下があります。

KDDI Message Cast

  • 初期費用・月額費用:無料

  • 1通単価:10円(70字/1通換算)

  • 最大文字数:660字

  • 発信元となる番号:自分の携帯端末番号(KDDI以外もOK)

  • メッセージを簡単に操作できる入稿ポータル有り


SMSLINK

  • 初期費用:無料

  • 月額費用:0円の場合、最低利用料金1,000円

  • 1通単価:11円(70字/1通換算)

  • 最大文字数:660字

  • 発信元となる番号:SMSLINK共有番号(050-****-****)

  • メッセージを簡単に操作できる入稿ポータル有り

 

上記で紹介した以外にも、利用性の高いSMS発信サービスは幾つもあります。

しかし、今回は以下の判断に基づき、紹介するサービスを決定しました。

  • 安否確認にのみ特化

  • SMS発信サービス調査時におけるサポート担当者様の回答レベルの良さ

  • 時間・学習・金銭といった導入コストの少なさ

他のSMS発信サービスはいずれも学習・金銭といったコストが生じたり、サポート担当者様が明確な回答を避けたり、または上記2社の機能に満たないものでしたので割愛しています。

「こっちのSMS発信サービスの方が優れている」という情報をお持ちでしたら、DMまたはコメント頂けると幸いです。

 

最後に

今回は安否確認を目的とした、情報発信方法についてご紹介しました。

大規模災害が起きた場合、行政機関ではインターネット回線の復旧が最も早く行われると予測されています。

対して、平時ではSMSを活用した災害情報発信が行われているのが実情です。

その為、私はインターネット回線とSMSの両方が同じ時期に復旧すると見込んでいます。

 

安否確認を行う方法として5つ紹介しました。

  1. 電話

  2. SMS

  3. メール

  4. チャットアプリ

  5. 安否確認アプリ

これら5つの手法は得意・不得意な側面がそれぞれありますので、会社の規模や考え方に沿って選択する必要があります。

5つの中で最も安定して安否確認を行える方法はSMSです。

SMSは幅広い年齢層で使われ続けた技術であり、かつ昨今では災害アラートとして行政機関でも使用しています。

安否確認を発信できたとしても、それを受け取った人が操作できないのでは意味がありません。

デジタルツールが苦手な人でも、日頃から受信して眺めているSMSならば緊急時にも慌てずに読んでもらえます。

 

SMSの弱点として、70字までしか送信できないという問題があります。

この問題についてはSMS発信サービスを利用すると解決します。

とはいえ、緊急時にしか使用しないツールの為に、学習コストやランニングコストを払い続けるのは難しいです。

今回は簡単に操作でき、かつ平時におけるランニングコストが生じないSMS発信サービスとして2社を紹介しました。 

  • KDDI Message Cast

  • SMSLINK

 無料の試用期間がありますので、気になった方はトライアルテストを実施してみてください。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

もし今回の記事が良かったと思った方や評価したいと思った方は、コメントを残して頂けると嬉しいです。

また、私はパソコン以外にも記事を書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。

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