2023/06/12

HDDやSSDのデータ消去! パーティション管理ソフト EaseUS Partition Masterを使ったデータ消去方法を紹介

こんにちは、Akira(Type-EDGE)です。

あなたはパソコンを破棄する時、どのようにして処分していますか? 

 

リサイクル券を買ってゴミとして出したり、店舗に依頼したり、また最近ではネットフリマもあるので個人間で取引をするといった方法が一般的に行われていますね。

かくいう私はパーツ単位に分解して、欲しい人へプレゼントしたり売却したりしています。

一式で売らない理由は、リユースできるパーツは残したいからです。

 

パソコンを処分する上で最も気にかけなければならないモノがあります。

HDDやSSDといった主記憶装置に保存されたあなたの個人情報です。

パソコンには、あなたがECサイトにログインをするID/パスワードや会社の秘密情報といった、他者に知られてはいけない秘密情報がたくさん保存されています。

それらを復元できない状況にしてから手放していますか?

 

今回はHDDやSSDに保存したデータを可能な限り復元できない状況にしたり、データそのものを読み出せない様にしたりする方法について纏めました。

データ消去の方法は複数ありますが、この記事ではコマンドを使った難しい方法から、パーティション管理ソフト EaseUS Partition Master を使ったデータ抹消方法までを紹介していきます。


ちなみにWindowsのクイックフォーマットを使いデータ消去をしても、簡単に復元できますよ?

ドキリとした方を含め、以下のような方向けの内容です。

  • HDDやSSDを復元できないレベルにデータ消去したい。
  • データ消去の方法について勉強している。
  • Windows標準コマンドであるDiskpartとcipherの違いを知りたい。
  • 確実にデータを読み出せない方法を探している。

 それでは、さっそく行ってみましょうッ!

 

HDDやSSDのデータ消去! パーティション管理ソフト EaseUS Partition Masterを使ったデータ消去方法を紹介

EaseUS Partition Masterの完了画面

Akira(Type-EDGE)がたどり着いた結論

  • HDDやSSDを手放す時は、データを復元しにくいレベルで消去した方が良い。
  • 一般社団法人パソコン3R推進委員会は①ソフトウェアによる消去 ②ハードウェアによる消去 ③物理破壊のいずれかを提唱している。
  • 無償でやるならWindows標準機能のdiskpartとcipherがオススメ。
  • コマンドが難しいという方は、EaseUS Partition Masterを利用してデータを消去しよう。
  • 「絶対に復元できない」データ消去は無いから、他の人に見られたくないならば物理的な破壊がお勧め


推奨されるデータ消去方法3選

HDDを物理破壊してデータ消去を行う

パソコンの再資源化を行っている一般社団法人パソコン3R推進委員会によると、データの消去は次のいずれかが良いと例に挙げています。

専用ソフトウェアでデータを消去する

パソコンを使って、対象となるHDDやSSDに無意味なデータ(00やFF、乱数)を上書きして消去する方法です。

対象デバイスをUSBやSATAにて接続し、専用ソフトウェアによる操作を行う必要がありますが、他の消去方法に比べて安価かつ簡単にデータを消去できます。

専用ソフトウェアは様々な会社より提供されていますが、機能面に大きな違いがありますので、データ消去において行いたい内容に合わせて選択する必要があります。

付加価値の高いシェアウェアになると、データ消去の証明書を発行したり、国際規格に基づいた消去を行うなど、データ消去において第三者が満足する条件を提供してくれます。

参考として、以下に専用ソフトウェアを紹介します。

専用ハードウェアでデータを消去する

パソコンを使用せずに、HDDやSSDをハードウェアに直接接続してデータを消去する方法です。

ハードウェアにセットして、消去ボタンを入力するだけで確実に削除できるので、どのような方にもお勧めできる方法に感じるかもしれません。

しかし、データ削除をする機会なんて業者でもない限りそうそうありませんので、ハードウェアで購入して持ち続ける理由はないです。

それに、専用ハードウェアのスペックはパソコンに比べて低い場合が多く、データの消去に多くの時間がかかってしまいます。

専用ハードウェアを購入するのならば、専用ソフトウェアを購入するのをお勧めします。

参考として、以下に専用ハードウェアを紹介します。

物理破壊でデータを読めないようにする

「第三者がHDDやSSDからデータを読めないようにする」という条件を達成するのならば、HDDやSSD自体を物理的に破壊してしまうという方法もあります。

ネタに思う方もいるかもしれませんが、データ消去の業界では一般的に行われている方法の一つです。

データ消去を行っても、復元されてしまう可能性をゼロにすることはできません。

確実に復元されないようにする為には、HDDやSSDを物理的に破壊して、いかなる方法を取っても読みだせない状態にしてしまえば良いのです。

もちろん、この方法を行った場合にはHDDやSSDを再販することはできず、産業廃棄物として捨てるだけになりますので、破壊せざるを得ない重要機密がないのならば行う必要はありません

破壊方法ですが、ドリルで穴を開けたり、ハンマーで叩いたり、切断機で両断したり、思うがままやっちゃってください(ケガだけはしないでね)。


Windows標準機能によるデータ消去方法は?

Windows標準コマンドでデータを消去する

「データ消去の為に専用ソフトウェアや専用ハードウェアを用意したくない」

このように考える方も少なくないと思います。

実は、Windowsの標準機能を使ったデータ消去方法があります。

……ありますが、復元できるレベルであったり、コマンドを使う方法だったりと、少しだけクセが強いです。

全部で3種類あり、内1つは一般的なフォーマット機能で、残りの二つはデータ消去のコマンドです。

フォーマット

USBメモリやSDカードを使用する前にフォーマットをしますよね。

それと同じことをディスク管理ツールからHDDやSSDに実行します。

マウス操作で簡単にフォーマットを行える点は良いのですが、中のデータは全然消去されていないので、データ復元ソフトを使うとほぼ復元できてしまいます。

つまりフォーマットはデータそのものを削除しているのではなく、データの有/無のフラグを書き換えて、「この場所を使って良いですよ」という条件を作っているに過ぎません。

diskpart

HDDやSSDといったディスク単位でデータ管理を行うコマンドです。

diskpartモードに入った後、clean allコマンドを実行することで、全データに対して0を上書きしてデータ消去を行います。

0を上書きしただけなので復元される可能性は非常に高いです。

よって、diskpartで消去するだけでなく、cipherも利用するようにしましょう。

cipher

ドライブレター(CドライブやDドライブといったドライブの文字)単位でデータ消去を行うコマンドです。

diskpartとの大きな違いは以下となります。

  • ドライブレター単位で行われる為、ドライブが異なれば消去対象にはならない。
  • 全データに対して 0 → 1 → 乱数 を書き込む為、復元されるリスクは極めて低い。

diskpartよりも効果の範囲が少なくなった分、効力が高くなったとイメージして下さい。

HDDやSSDといったディスクドライブを一つのドライブレターに纏めた後に実行する必要があります。

もちろん、cipherの対象から漏れたデータはそのまま残りますので、容易に読み出せます。

diskpartとcipherは両方を使い分けてこそ価値がある

ディスク単位で簡易的にデータ消去を行うdiskpartとドライブレター単位に複雑なデータ消去を行うcipherは、個々のコマンドとして使用すると使い辛いです。

しかし、両方を組み合わせた以下の手順を行うことで、復元されるリスクが低いデータ消去を行うことができます。

  1. diskpartによりディスク単位にデータ消去を行う
    複数のドライブに分かれているかもしれないので、まずは地ならしとしてdiskpartを行い、ディスクドライブそのものを一つに纏まるようにdiskpartで下地を作ります。
  2. データ消去したドライブをNTFSフォーマットを行い、ドライブレターを与える
    diskpartを行って消去した全領域をNTFSでフォーマットして、ドライブレターを与えます。NTFSでフォーマットする理由は、FAT形式だと4GBを超えるドライブを作成する事ができないからです。
  3. NTFSフォーマットを行ったドライブレターに対し、cipherを実行する
    NTFSでフォーマットし、ドライブレターを与えた領域に対し、cipherを実行します。全領域に対し、0 → 1 → 乱数 が上書きされていきます。

複雑なステップを踏むように感じますが、Windowsの標準機能であるcipherのデータ消去は国際的に認められた方法なので復元されるリスクは極めて低いです。

専用ソフトウェアや専用ハードウェアを用意したく無い方は、この手法をお勧めします。


EaseUS Partition Masterによるデータ消去方法を紹介

EaseUS Partition Masterでデータ消去

パーティション管理ソフトEaseUS Partition Masterによるデータ消去を実際に行っていきます。

EaseUS Partition Masterは以下のサイトよりダウンロードできます。

EaseUS Partition Masterはdiskpart同様にディスクドライブ単位に操作を行えますので、cipherのようなデータ消去漏れが生じることはありません。

またドライブレターが設定されていなくても管理対象になるので、特殊な環境にあるデータ領域に対しても処理を実施できます。

ソフトウェアが立ち上がったら、消去したいドライブを選択した状態でワイプをクリックして下さい。

EaseUS Partition Masterによるデータ消去開始

データの消去回数を1~10回の範囲で選択できるので、今回は3回を設定しました。 

データ消去回数を設定する

EaseUS Partition Masterの場合、設定した操作内容は即時実行されるのではなく、タスクとして登録されます。

複数の操作内容をタスクに登録することで、複雑な動作を一度に実行することが可能な仕様となっています。

全てのタスクを登録し終えたら、処理を実行します。

設定したタスクを実行する

タスクが逐次実行されるので、あとは完了するまで待つだけです。 

タスク完了を待つ様子

全てのタスクを終えると、完了画面が表示されます。

ちなみに500GBのSSDに対しデータ消去を行ったのに要した時間は、約20分でした。

Windowsの標準機能を利用する方法と違い、直感的なUI操作で済むので、とても簡単ですね。

 

データ消去を行ったSSDからデータを復元できるか試してみた

データ復元のイメージ

EaseUS Partition Masterによってデータ消去を行いましたが、同じソフトウェア会社のEaseUS Data Recovery Wizardを使用して復元できるか試してみました。

EaseUS Data Recovery Wizardとは、データ復元を専門とするソフトウェアで、システム障害やデータ破損、誤った操作ミスなどによって失われてしまったデータを復元できます。


パーティション管理によりデータ消去を行えるEaseUS Partition Masterのデータ消去能力が優れているのか。

またはデータ復元を専門とするEaseUS Data Recovery Wizardのデータスキャン能力の方が優れているのか。

まさに矛と盾の関係、胸が熱くなる展開です。

 

結果ですが、EaseUS Partition Masterでデータ消去した内容は、復元できませんでした。

データ消去方法について詳細に記載されていないのでどのような規格に基づくのか分かりかねる部分はありますが、少なくともdiskpartのような安易な内容でないのは確かなようです。


さいごに

今回は、EaseUS Partition Masterを使ったデータの消去方法について紹介しました。

パソコンをリサイクルする前にHDDやSSDといった主記憶装置に対しデータ消去を行わないと、情報漏洩になるリスクがあります。

データの消去方法については、一般社団法人パソコン3R推進委員会によると次の3つがあります。

  1. 専用ソフトウェアによるデータ消去
  2. 専用ハードウェアによるデータ消去
  3. 物理的破壊

再利用可能な状態でデータのみを消去する場合、専用ソフトウェアによるデータ消去をお勧めします。

 

データの消去はWindowsの標準コマンドである diskpart と cipher により実現できますが、コマンド特有のクセを理解して操作する必要があり、専門的知識が問われます。

その為、直感的にデータ消去を行いたい方は専用ソフトウェアを利用したデータ消去を行った方が無難です。


データ消去を行えるソフトウェアとして、パーティション管理ソフト EaseUS Partition Masterを紹介しました。

UIで消去対象のドライブを選択したり、消去回数を設定するので直感的に設定から消去までを行えます。


EaseUS Partition Masterによって削除したドライブに対し、EaseUS Data Recovery Wizardによるデータ復元が可能化も試しましたが、データを復元することはできませんでした。

データ消去の規格は分かりませんが、情報流出に繋がるリスクは低いと考えられます。

 

今回の記事は如何だったでしょうか。

もし今回の記事が良かったと思った方や評価したいと思った方は、コメントを残して頂けると嬉しいです。

また、私はパソコン以外にも記事を書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。

 

さいごの最後に、参考文献を掲載します。

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